PAWNSHOPのNIKE SB DUNK HIGHと失われない金色の輝き。
カリフォリニアの名店PAWNSHOPとNIKE SBがコラボレーションしたダンクハイが出る。
ワークブーツからインスパイアされた黒と金色のコントラストが美しいダンクハイ。
PAWNSHOPは、行ったこともなければ、買い物をしたこともないけど、NIKE SBとHOCKEYに所属するプロスケーター Donovon Piscopo(ドノヴォン・ピスコポ)のお店として有名だったから、名前もショップロゴも知っていた。
PAWNSHOPは、質屋という意味で、ドノヴォンの父親アンソニーが、家宝だった金の指輪を質に入れてドノヴォンにスケートボードを買ってあげたことから、このショップ名になったそうだ。ドノヴォンの父親もスケーターで、親子二代で続いているスケートショップということになる。
PAWNSHOPがあるコヴィーナという街には、スケートパークがなかったから、PAWNSHOPが毎週金曜日にフラットバーコンテストを主催しているらしく、スケートショップの鏡だなと思った。そして、本当に質屋だと思って来る客がいるらしい。実は、うちの店の外壁にも「電気工事」とペイントされていて間違われたりすることがあるから、ちょっとシンパシーを感じたりする。
PAWNSHOPのドアストッパーとして置かれているブロックは、ドノヴォンがNIKE SBのパートで決めたウォールライドtoグラブで落としたときのもの。
欠けたコンクリートブロックなんて、スケートボードカルチャーに興味がない人からしたら、燃えないゴミかもしれないけど、俺たちスケボーカルチャーの住人からすると、宝物に見える。捨てられないところを見ると、ドノヴォンもきっと同じ気持ちなのだろう。
最近、カルチャーっていうのは、合理的で意味があるものを残していくことではなくて、ムダで意味がないかもしれないけど、心が動くものや行動する理由になるものを引き継いでいく行為なのかもしれないと思い始めている。
心が動くものには、色々あるけど、物語や逸話っていうのは、その代表だ。ドノヴォンに子供ができて、お店を引き継ぐときがきたら、きっとこのコンクリートドアストッパーの話をするだろう。その瞬間、子供の目には、欠けたコンクリートブロックが、金色に輝いて見えるはず。アンソニーの指にあった金色の輝きは、これからも失われずに引き継がれていくと思う。
NIKE SBとPAWNSHOPのコラボレーションダンクハイは、1月14日発売。