TREASURE TOUR 2022
そうこうしていると春雷行脚の振替公演が始まる10月。あっという間に2022年も残すところ…の季節になっていた。このまま過ぎ去ってしまうのが惜しい。そんな私のTREASURE TOUR 2022まとめと追記、アルバム『TREASURE』の考察と共に振り返る。
2022年6月15日、私は仙台Rensaでキュウソネコカミを観ていた。予想外のセトリにKOされ放心状態。最終の新幹線に間に合うべく、仙台の街をこれでもか全力疾走していた。
観たいと思っていた矢先に転がり込んだ、これまた予想外の知らせ。立て続く予想外を処理しきれず、ライブで使ったタオルを首から下げたまま新幹線は終点に着いた。
そんな私の宝探しは、地元横浜からはじまった。
一目散に帰った。人の会話も雑音もすべて。他のなんの音も自分の中に取り込みたくなかった。たった今吸収した音以外なにもかも受け付けない。こんなこと、そうあることでもない。
■ TREASURE
2マンということは、必然的に持ち時間が短くなると思っていた。まさかアルバム全曲、1曲も余すところなく聴くことができるとは。。
やついフェスO-West
新代田FEVER w/the telephones
池袋Adm w/魔法少女になり隊
直近で観たどれもこれもが底抜けな楽しさと音密度。何度も気持ちを揺さぶられた。そこへTREASUREという最強のアルバムが加わった。要するに鬼に金棒。恐ろしいほどのエネルギーをまともに食らった。
■LIFE IS MY LANGUAGE
このアルバムの中で一番の肝となったのがこの曲だった。あの時聴いたあの曲だったんだと、遅ればせながら特典映像を観て気付いた。聴き込めば聴き込むほど音はもちろん、その力強い言葉にも心をつかまれた。
■BRAVES・真理の風
そして、
上記3曲は、アルバムの中では分散しているが、ライブでは連なることがあり、その相乗効果がたまらなく良かった。連発してお見舞いされるキラーチューンもさることながら、この3本柱は、今回のセットリストになくてはならない構成だったと思う。
そして、その日がきた。今までもこの組み合わせは何度かあったと思うが、私にとっては初めての一騎打ち。願ってもないタイミングだった。ワンマン、フェスはもちろん、相手ありきのキュウソネコカミはいつだって何らかの化学反応を巻き起こす。その度に過剰な期待をしてきた。当然この日もそうだったけれど、いつもと違う気持ちがあったことも否めない。
Wiennersを体感すればするほど不安を覚えた。自分の好きを疑ったことなんてなかったのに。疑うという言葉には語弊があるかもしれないが、それほどまでに新作TREASUREのクオリティがえげつなかった。この音しか許容できないほどに聴いてた。果たして私の大好きなキュウソネコカミは、そんな身勝手な、私のハードルを越えてくるんだろうか。さすがにこれは厳しいんじゃないか。見くびるつもりはないが、不安定な感情があったのは間違いないし、考えても仕方がないので、出来る限りの平常心を保つことに専念した。
直近で体感した他バンドのカバーを経て、彼らが提供してくれたのは、
選択肢としての想定はあったものの、まさかヨコタさんがサエさんのパートを歌うとは思わなかった。詳細な記憶は吹っ飛び、しっかり覚えていないが、違和感を感じなかったとすれば、原曲キーだったようにも思う。一瞬なにが起こったのか理解できず、あっけにとられた。当のご本人様の思いは、申し訳ないけれど私にはどうでもよくて(ごめんなさい)、ここでしか体感することができない、とんでもないものを観て聴いてしまった。今まで何を不安に思っていたんだか、、終演する頃には、そんなことすっかり忘れていた。
■BIG BANG
まさかこんな風に一石二鳥な曲に化けるとは。ライブって、2マンて、本当にすごい現象だ。。
■HORO NOVA AZIO
Wiennersの音楽は神様みたいな音がすると友達が言った。なんて的確な、もうそれにしか聞こえない楽曲がこれだった。池袋Admで天地創造を聴いた時もそうだった。大地に根づき、足を踏み鳴らすことで力強い生命力を感じた。声を出すことを許されない今だからこそのハンドクラップ。会場全体に行き渡る一体感は神がかっていた。
なんだろうな、本当に言葉では表現できない多幸感に包まれる。言われてみれば、信仰と音楽は切っても切れない関係なのかもしれない。にしても、この感覚はWiennersのライブで初めて体感した。ちょっと他では味わえないと思う。
8/31 F.A.D YOKOHAMA w/ハンブレッダーズ
9/3 大阪BIG CAT w/キュウソネコカミ
9/15 名古屋ボトムライン w/ヤバイTシャツ屋さん
9/30 渋谷O-EAST w/でんぱ組.inc
ただでさえ満喫しきったTREASURE TOUR 2022だったが、その後のライブレポートもありがたかった。
中でも、これに尽きた。
あのMCを聞いたとき、何の根拠もないけれど、ヨコタさんはTREASUREを聴いた上で言ったんだと、それこそ私の方が確信した。そう確信した人にしか出せない、強い何かを感じたのかもしれない。自分自身がそれそのものだったし、とにかく大好きな人から、この言葉が飛び出したときの私の気持ちなど、きっと誰にも理解できないだろうけど、本当にうれしかった。
こちらこそ、SUPER THANKS!
ようやく心置きなく「春雷行脚」に気持ちを切り替えることができそうだ。どんなコンセプトライブになるのやら。想像できない日々に、なんだかんだ、感謝。