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今月の1枚 January, 2022~雪~
関東で雪が積もった。珍しいと思う。
昨年は降らなかったと記憶している。
私は寒さが苦手だ。
毎冬シバリングが止まらない。
ヒートテックを着始めるのが誰よりも早く、
ヒートテックを手放すのが誰よりも遅い。
一年の半分くらいは
ヒートテックを着ているのではないかと思う。
雪が降った日。
気温はもちろんとっても低かった。
とっても寒かった。
とにかく部屋の中を暖かくして、
外になんか出ないぞ!と心に決めていた。
心に決めていた。
決めていた…。
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やってくるまでは…
ん、撮ったことないけど
たぶん撮れるぞ…?
というか撮ってみたいぞ…?
と、撮り方を検索。
マクロレンズがあるのでいけそうだ。
行動意欲を刺激されると、
寒くて動きたくなかったことなど
私はどうでもよくなるようだ。
そうだ。最近カメラに触れてなかった。
ファインダーを覗く瞬間が、
シャッターを切る瞬間が、
設定をいじる瞬間が、
この上なく好きなのに。
いそいそと上着を着込み、
カメラを持って家を出た。
近くの公園に足を運び、
雪の結晶を求めた。
風も吹く中、焦点距離を合わせるのが
なかなか難しく…
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うん!惜しい!!!!?
うーん。美しくはある。
被写体に選んだ結晶に距離を合わせても、
数秒後には風と手のブレで
捉えきれなくなっている…。
なんて難易度が高いのだろうか。
人生の次なる目標ができた。
(この日はここまでで断念した)
さて。
雪の夜。雪が降る夜。
公園にしんしんと降り積もる雪を眺めていると、
銀山温泉でかじかむ指に息を吹きかけ
暖をとった在りし日を思い出した。
あの時に学んだのだ。
降りしきる雪の、残し方を。
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降っている雪は、ストロボを炊くと、
光に反射して白く綺麗に写ります。
積もった雪でもない、
作られた雪だるまでもない。
まだ、地面に到着していない雪を
写真は残しておけるのです。
同じ写真は二度と撮れない。
刹那的にシャッターを切り、
やっと出会える大気の表情。
懐かしくなり、
空に向かって夢中でシャッターを切った。
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冷たい雪も、凍える風も、
心が洗われるくらいに美しいから。
だから、こんなに寒くても、
外に出てきてよかったな…と思える。
綺麗な景色を見て、
「綺麗だな」と思える綺麗な心を
私は持ち続けていたい。
私の手のひらに積もって
静かに溶けてゆく雪を眺め、
自分が生きていることを実感した。
幸せだな。
昨日も、今日も、明日も。
すごく幸せ。
ありがとう!!!