今月の1枚 December, 2020~冬至にキャンドルナイト~
冬至への思い入れ
今年は寒かった。
寒いのが苦手な私は毎年そう思う。きっと、100cmも積もった雪の中を走り回っていたあの頃の方が、世界は寒かったのだろうけど。
さて、私が冬至に思い入れを持つようになったのはいつからだろうか。
気づいた頃には思い入れを持っていたみたいな言い回しをしましたがごめんなさい…つい最近です…。2ヶ月前です…明確に明白ですm(_ _)m
今年の10月かな。
環境ジャーナリストの枝廣淳子さんの著書『地球のためにわたしができること』を、読みました。
What we can do to save the Earth.
出版されたのは2007年と少し古いですが、分かりやすい語り口で丁寧に綴られ、2020年の今も実践できそうなことがたくさん詰まっていました。
この本の中には、素敵だと思える取り組みの紹介がたくさんあったのですが、とりわけ私が心惹かれたのは、これでした。
夏至や冬至にキャンドルナイトを
100万人のキャンドルナイト
キャンドルナイトとは、「電気を消してスローな夜を」という呼びかけのもと、照明を消してロウソクの灯りで過ごそう、というものです。
2003年に環境省が、地球温暖化対策のため、ライトダウンキャンペーンを行ったのがきっかけと言われています。
では、どうして夏至と冬至に行うのか。
このサイトが分かりやすかったので、引用させていただきます。
「日本でいっせいに電気を消す日は、いつにしようか」
これについては、たくさんの議論がありました。地球のことを考える「アースデイ」、平和を願った「終戦記念日」など。
でも私たちは、それぞれの国の社会事情や、人間の都合で決められた記念日ではなくて、地球に住んでいればどこの国でも必ずやってくる共通の日に開催することに決めました。
「夏至」の日と「冬至」の日は地球にいればどこであろうと、必ずやってきます。
主義や主張、立場や国籍の違いを超えて、いつの日か地球ぜんぶで開催され、くらやみのウェーブが広がることを願って、この日に開催することにしたのです。
調べれば調べるほど素敵。私もこれから参加してみよう!と決心しました。
人間は変化を嫌う習慣の生き物だから、新しく何かに取り組むときはエネルギーが要ります。だから、周りの人を利用させてもらおうと決めました。
この日、親友に送ったLINE。
自分の決意や予定をお互いに送り合う、ということを、私と親友は結構な頻度でしています。
どちらが「めも:…」と送信したら、相手がそれをアナウンス。LINEには本当に便利な機能がありますね。
親友とのトーク画面はよく開くので、見る度にその「めも:…」が目に入ります。
すると自然と、その予定で動くようになります。
あ、もうすぐ冬至だ。
実家にずっと使われてないキャンドルがあったな。とってこよう。
そういえばうちにはライターの類がない。100均に寄ったついでに買っておこう。
そんなふうにして、私の思考と行動は、自然と実現に向け動き出していました。
やりたいことを、
・宣言してしまうこと
・頻回に目にすること
の力はやっぱりすごい。
そして、2020年12月21日月曜日。私は初めてキャンドルナイトを実践しました。
キャンドルナイトを経験してみて。
普段、いかに明るい環境の中で夜を過ごしているのか、気づきました。
ゆっくり過ごす時間の尊さを知りました。
ぼんやりと様々なことに思いを馳せることで、いつもなら考えが及ばないような深い思考領域に足を踏み入れられた気がします。
この時間が確保できただけでも儲けものだったと、心から言えるのが嬉しい。
ゆらゆらと揺れる火を眺めながら、私の心に浮かんだのは、今の世界のことと、私の将来のことと、大切な人と過ごした時間の振り返り、そして、読みかけの推理小説の内容でした。
気がついたら自分の頭の中にいろいろな思考空間ができていて、私はそれらの空間同士を気の向くままに行ったり来たり。
それはそれは有意義な旅でした。
人生を変えてしまうような考えやひらめきって、きっとこうやって頭の中を旅している時に、生まれるんだろうな。
なんとなくだけど、そんな気がしました。
心地よくふわふわと、自分と対話する時間。
わざわざ確保しないと作れないこの時間。
だけど、もしこの時間が毎日あったら、マンネリ化してしまうだろうから。
忘れたころに、確保できるといいな。
それこそ、毎年夏至の日と、冬至の日に。
世界の、
どこにいても忘れない
この日に。
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