細胞検査士1次試験対策ノート アポトーシスとネクローシス
退行性変化(変性、壊死、アポトーシス、萎縮)
アポトーシス
細胞にアポトーシスのスイッチが入ると、細胞内に存在するカスパーゼというタンパク質分解酵素が活性化され、この活性化されたカスパーゼが細胞の生存に必須な複数のタンパク質を分解することにより、細胞が死に至る
アポトーシスを起こした細胞は、いくつかの小さな断片(アポトーシス小体)に分かれ、クロマチンの凝集等の特徴的な形態を示す。
一方で、細胞膜は破れることがなく、細胞の内容物が細胞外へ出ることはない。
炎症反応は起こらない。
まずは核と細胞が縮小する。
アポトーシスに陥った細部は組織球系によって貪食される。
細胞集団内で散発的かつ急速に起こる。
アポトーシスを抑制するものとしてBCL-2がある。
ネクローシス
細胞内小器官の膨潤、DNAのランダムな断片化、細胞自体の膨潤と破壊。
長期間に漸次的に進行する。
外傷、火傷、補体による細胞破壊、薬物、放射線などから誘導される。
病理的要因で起こる。
壊死の種類
1. 凝固壊死 急性心筋梗塞、腎梗塞 蛋白質の変性が主体で、細胞質の蛋白質に高度の変性が起こり、細胞の 輪郭が残されるような壊死
2. 融解壊死(液化壊死) 脳軟化症(脳梗塞) 酵素による組織の分解が主体で、壊死巣は軟化し、完全に構造が消失す る。
3. 乾酪壊死 結核 結核菌の感染巣でみられ、凝固壊死の一種である。
4. 脂肪壊死 急性膵炎 急性膵炎の際に生じる膵組織や周囲細胞組織の壊死 リパーゼにより脂肪が分解されて壊死になる。
5. フィブリノイド壊死 免疫異常疾患(膠原病、アレルギー疾患) 抗原や抗体などの免疫複合体とフィブリノゲンなどが、その成分で免疫 異常疾患の際に見られる。
6. 巣状壊死 急性肝炎 単細胞壊死あるいはきわめて小規模な壊死