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#私を構成する5つのマンガ

自分が生涯、本棚に置いとくとしたら、その漫画はなんだろうと、このところ考えていた。漫画を夢中になって読んでいる時、そのエキサイティング感は、どれを読んでも割と似ていて、アドレナリンが出ているのか名作もそこそこ楽しい漫画も、よっぽどいまいちと思わなければ、基本気持ちの高ぶりはかわらない。
はっきり言って漫画はほぼ全部面白いし、5冊だけなんて選べない。

だから今回選んだ漫画は、それを読み終わって長く時を経てもその内容を思い出すことがあったもの、また自分の人生を豊かにしてくれたかで判断した。

コメントは、内容から外れていたり腐女子目線な場合もあるが、思い入れが深いということでご容赦願いたい。

サマリー
・進撃の巨人
・BANANA FISH
・BEASTARS
・ピアノの上の天使
・幽遊白書


進撃の巨人
理由:諌山創の意気込みに勝手に惚れている。
またある時、超脇役が嘘をついている小さなワンシーン描写があったのだが、その人の表情を見て、嘘ついてる?と思い実際当たった時、この人の無骨ながらも表情描写の手腕を感じた。

そして一年以上寝ながらこの漫画を読み続けて、私は目を悪くして、首をやってしまったので、今私の大半がこの漫画で構成されていることは、(別の意味でも)疑いの余地がない。リヴァイが出てる同人誌も大好きである。


BANANA FISH
理由:日本的な間があり美しい。

友人から借りて読んだ漫画がいつのまにか大のお気に入りとなり、最近画集まで購入してしまった。ニューヨークで日本人とアメリカ人の少年が出会い、事件に翻弄される。吉田秋生の細かな感性とセリフとセリフの間の取り方が絶妙な空気感を醸し出す。タイトルの由来ともなった、同題名を書いた小説家、サリンジャーもこれのおかげでだいたい読みました。


BEASTARS
理由:構成が天才的。またディティールに凝っており、オリジナリティが群を抜く。

新しい漫画だけど、一話目で虜に。
私が勝手にそう感じているだけかもしれないが、必要なシーンしか描かれていないところに情報の密度を感じる。
少しネタバレだが、一話目で特にありそうなパターンとして、「日常風景→誰か殺される→みんな怯える→犯人誰?」 のような、物語の設定説明のための描写が多くなりそうなものなのに、問題定義が早くてもたつくシーンがないのがすごくいい。いくつもの疑問と解決を繰り返し、想像の余地をはらみながら、犯人は誰かというのもしばらく忘れさられた後でこの問いを回収してくるところに、構成力の高さを感じた。
一般的に漫画のストーリーや設定は雑にいうとある程度、系列があるように思う。例えば冒険もの、武士・忍者・和物、恋愛もの、マイノリティ系、主人公が変なやつ、など。

この漫画のすごいところはそれに当てはまりづらいオリジナリティを持っているところだ。

最後にもうひとつネタバレになるが、月明かりのの中、ウサギのハルちゃんがオオカミのレゴシのアソコをのぞくシーンがある。この後のハルちゃんの返答も秀逸なんだが、この先少なくとも10年は、ウサギとオオカミのあんなシーンを描く人は現れないだろう。(しかもすごく健全に)


ピアノの上の天使
理由:目の見えない女のsteal meというメモ

ここまで誰もが知っている漫画できたので、だいぶ前のもので、すこしマイナー的なものを。尾崎かおりのこの作品の中で、目の見えない大人しそうな娼婦が二階で客の相手をしながら、開いた窓から “steal me”というメモをヒラリと外に投げるシーンがある。すごく静かな描写ながら、扇情的で今でもふとした時に思い出す。これは私の何かを構成してくれている。また読み返そう。


幽遊白書
理由:20年以上妄想で蔵馬と付き合っているから。

半分冗談なんだけども、実はこれ、数年前のとある1ヶ月間限定の蔵馬好きが語るスレでの、どなたかのコメント。このコメントを読んだ時、実はわたしもそうかもしれないとはっと気がつき、今回使わせてもらった。
話がそれるが、 そのスレでは、どのシーンが好きだったか、一番お気に入りの蔵馬イラストなど他愛もないことから、なぜ彼だけ最後まで相手ができなかったかなど、物語を読み解くための真剣な疑問討論もあった。

一ヶ月を終え、投稿ができなくなる24時が迫った期限間近、一人は名残惜しそうにみんなに会えてよかったと、別れを惜しんでいた。他の一人は、こんな風にまた蔵馬を語れて嬉しかったとスレ主に感謝を表していた。地面のない掲示板で楽しいひと時が文字を通して伝わってくる。そして24時。掲示板は停止し、当然誰もが沈黙し、過去ログと化した。
私はこの一連を数年経ってから発見したのだが、読んだ時のじんわりした気持ちは忘れられない。まるで宇宙に腐女子の惑星ができ、そして瞬く間に消滅するかのようだった。その遺跡のパピルスを私は読んでいたのだ。

ここで私が言いたいのは、幽遊白書は作者の冨樫義博が、24歳という若さで始めた漫画であることだ。そしてそれを20年以上も崇拝している人たちがいる。これだけ人の心を掴み、夢を与え続けてくれる作品はただただ、すごいとしか言えない。


以上5冊、思わず気合を入れて書いてしまった。勘違いしているところ、間違えている部分あるかもしれないので悪しからず。

漫画家は週刊誌、月刊誌、共にプロットを書いていても毎回新作を出して、すでに発表したものにはテコ入れできない大変な仕事である。多少辻褄が合わないことがあっても、温かい目で応援し続けたい。


#私を構成する5つのマンガ


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