
ゴシック・ロリィタ・ロックンロール・エチケットVol.11〜神戸の傑作と、明日の話〜
8月21日のことだった。
ロックンロールサーカス2025への出演が決まった。決め手は8月の荻窪でのライブだった。
嬉しいなぁ、本当に、やっと走ってきた。ボロボロになったドクターマーチンに「一緒に走ってくれたありがとう」と言って油を塗る。
あぁでも、本当あの時どうしようもなかった私が今やバンドマンで、ロックンロールサーカスに出る。
少しずつ色々なことがたくさん報われている。周りの人達のおかげ。
よかったね、本当に周りに恵まれた。
一度は死んだ自分が、こうやって生き返った。絶対誰もついていけないところに行こう、今なら思える。
感謝しよう、ありきたりだけど。
普通のことしか言えないな。と思った。
グッズを作った。友人が気合いを入れて編集したのでとても面白いものに仕上がった。
これを目当てに来る人が出てきて戦慄している。せっかくだから楽しんで欲しい。
私の地元でもある兵庫県、お父さんとよく遊びに行った神戸。最近行ったら三宮センタービルがまだあったことに感動した。
再開発の進む元町高架下。
気合いを入れて買いに行ったchoice closet。
念願のディーンジャケットワンピースを羽織る。これは紛い物が沢山世の中に出ているが間違いなく本物。後ろの編み上げが美しい。
ドクターマーチンと併せるといつだって闘えるようになる。
周りは強敵揃いだ。やれることはやった。
たくさんのバンドマンに会って、ライブを見た。誰にも負けたくないと思った。
当日の雪予報も溶かすようなライブをやろう。
「あんたまた出しゃばってんな」
元町高架下のシャッター街に不釣り合いなシュガーブーケと金髪。
またお前か。
対峙するディーンジャケットワンピース。
出しゃばったっていいじゃない。私は嬉しいの。だからみんなと嬉しいなって気持ちを共有したいの。
盛り上がってるよ〜っていうのを伝えたかったの。
「わかってんのよ、アンタの腹の中なんて。知名度で勝てないバンドに勝つために、他のバンドの名前を借りて出しゃばってるだけでしょ」
うるさいな。何だっていいの。どんだけ良い音楽だってきっかけが無いと聴かないし見ないでしょ。
そんなきっかけ、いくらあったっていい。私は誰かのきっかけをありとあらゆるところに仕込みたいだけ。
「キツかった?」
キツいけどその分手応えはあるよ。
いろんなバンドのいろんな思いを聞いて、それを伝えたいって思いも絶対本当。
「優しい人が多くてよかったね」
ほんとね。
「感謝しなさいよ。」
それはライブで返すから。
あと今後色々恩返しできるような人になりたいと思ってるよ。
ディーンジャケットワンピースはアトリエボズの名作だ。一度ブランド終了したが、熱いファンの想いに応えて復活した。
そんな復活のワンピース。復活の戦闘服は、バンドマンとして一度死んだ私と一緒に神戸の街で戦ってくれる。
だから大丈夫。雪は溶けるよ。