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ゴシック・ロリィタ・ロックンロールエチケット最終回 〜やれること全部ほんとにやってんのか〜
ロックンロールサーカス2025が終わった。この一年出演を目標にやって来た舞台だった。
走らなきゃと思った。それは誰のためでもなく、紛れもなく私自身のためであり、ADDICTIONのためであり、この先のシーンのためでもあった。
ロックンロール・エチケットとは、ロックンロールをする上でダサいことをしないよう自分の中で決めたルールのことだ。
他所に迷惑をかける酔い方はしない。
練習をちゃんとやる。
環境に対して誠実でいる。
やれることは全部やる。
学級目標か??
わからないことはわからないなりに相談したり、調べたりしてきた。
バンドマンは楽器を弾けるだけではバンドマンと名乗れないと思っている。
楽器が弾けても、ライブをするために営業をかけないとステージは用意されない。
音源だって録らないとない。
グッズだって作らないとない。
その考えで色々やっていたら前のバンドではメンバーから「こいつマネージャーだから」と言われブチ切れた。マネージャーも大切な仕事だが、私はあくまでプレイヤーであり、バンドマンでベーシストだ。それが全否定されたように感じたのだ。正直死ねと思った。
持てる力量とわかる事柄を全動員してADDICTIONを始めた。
わからないことはわからないなりに調べて徹底的にやってきた。
ただベースを弾いていたって、ただスタジオに入っていたってライブは出来ない。ステージは勝手に用意されない。
上げ膳据え膳の世界では無いのだ。
上げ膳据え膳の世界でテーブルの前でじっとしてられる性分でもないのだけれど。
音楽をやってるだけで人の心を動かせるほどの人間では無いことを自分でわかっていた。
世界だってそんな甘くないことも。
たまたま出たライブにたまたま大物プロデューサーがいてたちまちデビューすることなんてあり得ない。そう思い込んでいそうなバンドも全然居るけれど。
現実のことだけは冷静に見ていたいと思った、
調子に乗らないぞ、と決めてやってきた。いや、少し調子に乗ってる様な振る舞いをした方が強く見えるのか。もうわからない。
とりあえずやれるだけのことはやった。もう振り返ればよくわからないが、底の擦れた穴の空いたドクターマーチンに鞭を打って、去年の一月から、神戸に向けて走ってみた。
在来線を乗り継いだとて、新幹線に乗り込んだとて、三ノ宮駅で降りても、結構遠かった。
サーカスの舞台は手を挙げて用意して貰えるものでもない。
あの場にいるお客さんにADDICTION が求められて初めて登れる場所だと思っている。
色々考えることもあった、出ることができる、実力があることを示すライブはもちろんだけど、ただ出してもらう、っていうのはなんか違うよなぁ。と考えていた。
ADDICTIONを始めてから、バンドがお客さん気質になるのは絶対違うよなぁと思っている。
出るライブを用意してもらう、お客さんに雰囲気を用意してもらう。
そんなんバンド辞めちまえよ、といつも内心で吐いている。
そんな感じでやって来たことを報ってくれた皆さんには本当に感謝している。
DIY精神でやって来た。よかったと思っている。
この一年、たくさん成長できた。自分的に。これからも斜に構えて天邪鬼なこと言ってると思うけど。
悔しいと思うことをそれなりに経験して、劣等感しかない時期もすり抜けて、色々犠牲にすることはして、人生台無しにすんじゃねえの、みたいなこともあったけど。
あの場で、あれだけの人が来てくれて、良かったです。一安心した。
本当に楽しかったなぁ、って思えました。
また今日から頑張んなきゃ。
「甘いんだよこのクソボケ」
あ...
シュガーブーケと金髪が揺れる。頭のリボンを解いた。高そうなリボンが風に吹かれてどこかに飛んでいく。
「入場規制かけるくらい話題になれよお前ら自身がさぁ」
それはほんとそう...
正直悔しかったなと思うしまだまだやれたことはあっただろうなと思った。
「何を捨ててでも見たいバンドになるんじゃなかったのか!?えぇ」
「当たり前なんだよ、お前がやってることなんて。上げ膳据え膳の世界じゃないんだから、生き残って来た人たちはさぁ!お前がひけらかしてるより努力してんの、馬鹿じゃねぇの調子に乗ってんじゃねぇよカス。」
当たり前のことは黙ってやるよ。これからは。
「ボケ、悔しくないんか」
悔しいよ
「お前が見下してる上げ膳据え膳要望クソバンドなんてとっくに淘汰されてるし、お前が憧れてる人たちと同じ舞台には立ってないよ、ここから先は黙ってかっこいいことをする人しかいないよ。」
うん
「お前なんてまだまだ、やってる割に最底辺よ」
何も言い返せないかも。
「まだまだやるんだろ、ここを原点にできるくらい、やれよ。早く。こんなことをやれる時に、やれ。」
やれない時だってやるよ、舐めんな。
次に神戸に行く6月のライブ、あの時ADDICTION のこと見なかった人が悔しいと思うくらい。
見てくれた人には「あの時見てよかった」って思ってもらえるバンドになるよ。
本当に、報ってくれた人に感謝してるんだよ。