ゴシック・ロリィタ・ロックンロール・エチケットVol.6 〜ロックンロール曲芸会。トップなビートで踊らせたい。ロリィタ論〜
この街に来るのは久々、昔友達とサイゲームスがやってるファンタジーカフェに行って以来。あのときは甘すぎるパンケーキに頭を痛めながら舌鼓を打った。今ならあそこにはアトリエピエロのジャガードスカートにマーブルのジャボタイをつけたブラウスにコルセットを締めて行きたい。そんなことをしたらあのパンケーキは食いきれなくなるが。
コルセットはダイエットにはかなりおすすめだが普通に体調悪くなるので締めすぎには注意してほしい。
この度CDを出した。4曲入りのミニアルバムだ。自信作、やれることはやった。駆け込みで新グッツを出した。プレスリリースも出した、一個採用されて記事にしてもらった。
反響もある。それなりに。一年でこれはかなり頑張ってる方だと思う。
取り置きも結構ある。時間は少し早いがそれなりに来てくれるだろうと信じている。
対バンも仲のいいバンドが多い。こうがんずも神戸以来何回か会っているし、Dr.Venusは盟友だ。
オータムスも楽しみだし、ポップコーンズでは踊る気満々だ。
リハを終えて少し雑談をする。
相方は腕から骨が出るくらい痛いと言っていたが、いざ骨が出たらまぁ、救急車呼べばいいだろう。
楽しい日になりそうだな。と思った。
昨日相方と少し険悪になった。まぁバンドなのでたまにはそんな時もある。
頑張りたいな。絶対。それはお互いそう思っている。
オープンして、すぐに出番はきた。
何人か知った顔がいる。が、予定より少ないなと少し切なくなった。
シールドが抜ける。なんでや。
また抜ける。マジで何なんだ。
不甲斐ない。準備不足に腹が立つ、帰ったら長いシールド買おう。
私のソロが始まる瞬間だったので相方にお前いけ!と、目で叫び相方がソロを叩く。
目と目で通じ合う男女だが別に色っぽくはない。むさ苦しくて汗くさいアイコンタクト。
むしゃくしゃしたが気持ち良い。いいライブだと思う。ステージから飛び降りるとカメラがこちらを向いて囲まれる。承認欲求が満たされる。きたなこれ。やれる。いける。楽しい。
ステージを終えた。いい反応。
よかった。
物販席に戻ると見にきてくれた人たちがCDをたくさん買ってくれた。
わざわざ来てくれた人にそれに見合った満足感を持って帰ってもらえたらよかった。ほんとに。
ポップコーンズは踊った。めっちゃカッコいい。ドラムのお姉様と少し話した。めっちゃかっこよかったです。紅一点でドカドカ叩く姿に憧れた。
こうがんず。おにぎり食うぱつお。コミュ力の鬼。こいつはマジでいいやつ。
こうがんずの女性人気は多分、この汗臭いライブの裏に少し少女漫画的な歌詞をしっかり聴かせる木田くんのボーカル。母性本能をくすぐるなコレは。
ジギィ歌えるのマジですごいな。ボーカルが代わると飽きがこない。ベースの精度も高い。同い年のライバル。ほんとかっこいいので悔しい。
Venus、大学時代から変わらない右京のつんざくギター。圧倒的にデカいボーカル。声も背も、こいつらは見栄えするし本当に華がある。
脇をしっかり抱えるリズム隊。食いかかるドラム長谷川。出し切って燃え尽きるひらはとにビールを注ぐ。
しっかり締めてくるオータムス。キャッチーで見栄えする。関西色を連れて、東京でかき鳴らすロックンロール。説明不要にかっこよかったです。実家帰ったら絶対またライブ行く。
すごいな、みんなすごい。これは見応えのあるライブだ。
全部終わった。やれることはやった。
主催と話す。集客は目標15人。結果10人。悔しいな。LINEを開くと仕事で行けない報告がたくさん入っていた。
悔しい。仕事をすっぽかしてでも見たいバンドになりたい。
主催にも言われたが、バンドにファンをつけたいと思った。知り合いに見てもらっても中々続かない。絶対このバンドを見たい!って思ってもらいたい。常に。いつも。
フェスで誰かの丸がつくバンドになりたい。
サーカスにたどり着くにはそこまで行かないと。同じエンジンを乗せたロックバンドの中で。赤丸をつけてもらいたい。
前のライブで「すごいもの見た!!!!!!」って言ってくれた人が今日も見に来てくれた。CDも買ってくれた。
わざわざ有給を使って見に来てくれた人がいた。
うちのバンドの軌跡を見てきた人がいた。
友達を連れてきてくれた人がいた。
全部嬉しい。そんな人たちのためにもたくさんやらなきゃいけない。長く続けられるバンドになりたい。
来なかった人は来たくなかった訳ではないんだよな。でもいつでも見れるから、いつか行けると思ってると思うし、私もいつか来てくれるといいと思ってる。
寝ぼけ眼の総武線。相方と終電ギリギリに乗り込む。
夢を見た、小学生のとき読んだ青い鳥文庫、黒魔女さんが通る!を読んだとき。
中学のときロッキンホースバレリーナを読んだ衝撃。
下妻物語の深田恭子。
眺めるだけのケラ。最上もがの大きなポスターが付録だった。
同級生が活躍した軽音楽県大会。涙を飲んでスタッフをした。
手が届かなかった原宿のアトリエピエロ。プトマヨ。
一周するラフォーレ原宿。swimmerで小さな小物を買った。
大学生の時発売日に買ったアマベルのミリタリーワンピース。
昔やってたバンドのホームのライブハウスの店長。東京のライブハウスに出ることを伝えるとなぜかキレてきたな。
初めて袖を通したマーブル。よくお似合いですよ!と言ってくれたラフォーレ原宿のいつもの店員さん。
悩んで買ったアトリエピエロの赤いリボンのついたヘッドドレス。
好きだった人との2人で会う時着て行ったmilkの夏用ロングワンピース。
胸を躍らせてくれた洋服たち。それから、覚悟を決めて袖を通したMR corsetのジャンパースカート。
乗っ取った主催ライブ。
いつもライブ前に締めるコルセットは年末仕事頑張ったご褒美に買った。
音源出した記念に気合いを入れ直すために買った姫袖を揺らして。
勝負服だ。仕事もできない。コミュ力もない。トーク力もない、認められない。何もできない。
これを着れたら私はかっこいいベーシスト、赤花ハガレになれる。
地下に続く階段。薄目でBABY, THE STARS SHINE BRIGHTの傑作、赤色のシュガーブーケと金髪が揺れた。
バンドなんて商品なのよ、買えたら買う。喉から手が出るほど欲しいものは休み取ってでも買いに行く。
そうだね、
それであんたが傷つくとかはあまり関係ないでしょ
まぁそうだよね。
でもそれが当たり前。喉から手が出るほど欲しいバンドにならなきゃね。
うん。
Tシャツにジーパンでステージ出る気は?あんの?
ないよ。
あっそ。
悔しがる私を慰めに来てくれたの??
んな訳ねぇだろ。コンプレックスを舞台に上げたらそれはロックンロールになるのよ。
最近よく会うこうがんずとかそんな感じよね。まさに。それ、大槻ケンヂの言葉なんだ。私はずっとロリィタを着たくて着たくて仕方なかった、だけどさ、あんたには無理って言われてた。ブスだったから。中学生のとき、今は無い原宿のプトマヨの前通った時にも。ショーウィンドウ見て焦がれるだけだった。
私、ロリィタ好きになったきっかけって大槻ケンヂのロッキンホースバレリーナ読んで、七曲町子に憧れたからなんだよね。
行動力があって、強気で、かっこいい。
ロリィタ着たらそうなれるかなって。
昔、ゴシックロリィタバイブルの連載も持ってたし、あの人は嶽本野ばらの次にロリィタ文学が上手い。と私は思ってる。
あんたはロリィタとロックンロールの親和性を信じてるんだ。
信じてるよ。私みたいなのをかき集めて祀らせたい。そもそもヴィジュアル系の文脈にゴスロリは外せないでしょ。
あんたとヴィジュアル系関係ないだろ。
それはそう...。
まぁ散々何か言ってたけど結局何なの。
ゴスロリ買うとき「衣装だから!!!これ!!!バンドに必要なやつだから!!」
って言い訳が使えなくなるから当分は板の上でゴスロリ脱ぐ気はないです。それに6月は神戸に行って絶対アトリエボズ買いたいし。アトリエピエロのジャガードワンピースも欲しい。赤いラスボス感のあるアレ。あとヴィヴィアンのロッキンホースバレリーナも欲しいな〜!!!!いつか!!!!!!
ゴシックロリィタのカモめ、サーカスまでロッキンホースで歩けるのかよ。
歩くしなんなら走って行ったるわ。