![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/10348595/rectangle_large_type_2_c38a9a7870f8da24ed15050b33237d31.jpeg?width=1200)
自分原動力
私は昔から物事を続けることが苦手だ。
幼稚園を中退するところから始まり、水泳、進研ゼミ、部活、弓道、サークルと、長続きしたものがほとんどない(今に至っては仕事も、である)。
理由は様々で、怒られたからだの、向いてないだの、仲間割れだの。
まぁだいたい嫌なことがあって辞めた。
そんな私が唯一ずっと続けているものが音楽だ。吹奏楽部もバンドサークルも辞めていることはここでは触れないことにする。
家には昔からピアノがあった。
確か、長女がピアノを習っていたのだと思う。
そんな環境にも関わらず、幼稚園の頃はまったく興味などなかったように記憶している。
そんなピアノに無関心だった私が、小学校に上がってからというものの、「ピアノを習いたい」という思いが急速に強くなるのである。
思考は単純。
「学校行事で代表してピアノの伴奏する人、凄いって言われてる!」
嫌なことはしない、褒められることはもっと頑張る。まるで犬である。
そんなこんなでピアノを習いたいと散々駄々をこねるのであるが、なんせ長続きしない私である、母は簡単に習い事をさせてはくれない。
結果的には母の大勝利で、私にとっても結果オーライ。
ピアノに張り付いて姉の演奏を見ていた私は、勝手に見様見真似でピアノを弾くようになり、自然と楽譜を読めるようになってからはいろんな曲を演奏するようになった。
しかし、独学では学校で代表してピアノを弾けるまでにはなれず、少しつまらない気もしていた。
そんな折、小学校の行事で「2分の1成人式」なるものが開催された。
文字通り、10歳の節目に感謝と抱負を述べる行事だ。
そしてそれは、事前に両親に書いてもらった手紙を読むときでもあった。
そこに綴られていたのは、
名付けの理由、これまでの心配だったこと、これからのエール
そして、
「お父さんとお母さんが今一番感心していることがあります。それは誰も教えていないのに上手にピアノをひくことです。これからもたくさんの曲を聴かせてください。」
いまではそのピアノは壊れてしまって、もう音はでないけれど。
ピアノからギターへと繋いだ音楽を、
不格好で下手くそな演奏を、
一生懸命、誇らしげに届けていきたいのだ。