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9月15日の日記 未成年が18禁サイトを見たら作成者が罪になるってほんと?

・これ、昨日TLでいっぱい見ました。なんかあったみたいですね。

・インターネットではまことしやかに「未成年が自分の描いたエロを見ると、描いた自分が罪を負うことになる」と囁かれていますが、本当なのでしょうか。せっかくなのでこれを機に根拠を整理しておこうと思いました。


民法21条

・制限行為能力者の詐術に関する法です。簡単に言うと、未成年や成年被後見人は契約の取消権を法律で保障されています。これは、この人たちには判断力が足りないと看做されているからです。

・取消が保障されているのは、本人を保護するためです。ですが、その未成年や成年被後見人が「自分は判断力の不足していない成人ですよ」と相手方を騙すような行為を行っていたら?

・民法21条では、「こういう場合は取消権を行使できないよ」と言っているわけです。信義誠実の原則というものがあるからですね。(信義誠実の原則:互いに相手方の信頼を裏切らないように、誠意をもって行動しなければならないという民法の基本原則のうちの一つ)

・騙したら駄目だよ、信頼を裏切っては駄目だよ、ということ。

・なので、「自分は成年ですよ」と言って未成年者がエロを購入しても、未成年者の年齢を理由とする親御さんからの返金要求に応じる義務は生じません。


わいせつ物頒布等罪

・「民法ではそうかもしれないけど、わいせつ物頒布等の罪ではどうなんだ!?刑法は!?」という脳内インターネットの声が轟いてきたのでこっちも整理しておきます。

・刑法175条わいせつ物頒布等の罪について。

・これはエロを頒布(不特定又は多数の人に対して交付する)・陳列(不特定又は多数の人が認識できるような状態に置く)するのは駄目だよ、刑に処すよ、という法律です。

・チャタレー事件や悪徳の栄え事件が有名ですね。

・しかし、「未成年には絶対に見せるな」という規定はありません。ですので、全ての人間が対象となっていると考えてよいでしょう。

・なぜならば全ての人間に対してエロを見せてはいけないからです。教習所の試験みたい。


・民法上も、刑法上も、「未成年者や成年被後見人にエロを見せるな」とは書いていません。では、上述の話はインターネット上の都市伝説なのか?

・今度は条例に話を移します。

青少年保護育成条例

・これは自治体が制定している条例の総称だそうです。

・そういう訳なので自治体によって差はありますが、概ね以下の通りです。

成人向け図書以外の書籍から指定された特定書籍(=有害図書)を
②包装し
③成人専用コーナーに置き
④未成年者に売らないよう努める

・おお。インターネット上で問題になってそうなやつだ。

・わいせつ物→誰に対してもNG

・有害図書→未成年に売るのがNG

・なんだって。へ〜。

・これって「売る」場合の話だけなのかな?

・あと気になるのが、有害図書指定されていないものはこの条例の対象外になると考えていいの?文言だけを読めばそうなるが……。

・大阪府では「こういう基準を超えていれば認定なくても有害図書だよ」という風になっているそうです。へえー。

・ざっと調べたのですが、この条例では「青少年がインターネットで自主的にエロを見た」という状況は、どうも想定されていないようです。えー??

・出版社やイベント運営者による自主規制は存在していますが、「自主的に無料で見に来た未成年」についての話は見つかりませんでした。

・「売る」以外の方法は、青少年保護育成条例では想定されていないらしいということです。

・手ぐすね引いてページを開く未成年者は世界にいないと思われているのかもしれません。そんな馬鹿な。

・「まさかそんなはずは……」と思って色んな単語で検索をしたのですが、見つけられませんでした。発見できた方は教えてくださいませ!!



・罪になるのか問題。分かりませんでした。すいませんでした。

・信義則(民法)から見ると「嘘吐いてるやつを守る義理はない」と言えそうだし、わいせつ物等頒布罪(刑法)から見ると「そもそも大人にも見せちゃ駄目」だし、条例では「そういうときは免除になる」と書いてない。

・え〜?つまり……???

・分かった方は、あなたのnoteでまとめてください。この議論に終止符を打って快適な人生を送ろう!!!!!!!!!!!

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