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11月14日の日記 有頂天家族

・森見登美彦『有頂天家族』を読んでいる。アニメ1期と2期は見たけど、原作を読んだことがなかった。

・「京都を知ってて本当によかった〜」というのが一番の感想だった。

・『有頂天家族』は狸の矢三郎(化け上手)が主人公である。矢三郎は天狗社会、狸社会、人間社会に翻弄されつつ華麗に世渡りをしてみせる。

・その背景が、実在する京都市内の寺社仏閣なのだ。矢三郎は下鴨神社の糺の森に住んでいるし、次兄は六道珍皇寺の井戸の底で蛙に化けている。京都をまあまあ知ってはいる私にとっては各地の情景を思い出すことができて非常に味わい深く、面白い。

・母親の実家の近所にある八坂神社や、友達の通っていた大学名。父親と弟の通っていた商店街。遊び回った東山。自分の人生と結びついた様々な京都を行ってないのに思い出す。非常に現実的な地理に雰囲気描写がリアリティに満ちている。

・非常に現実的な舞台に、天狗や狸の神通力が生き生きと描写されているのが可愛く、それでいて生々しく。劇中で起きた様々も私の知らないうちに起こっていたのかも、と考えたりするのがとっても楽しい。魔法を見せてもらっているみたいだ。

・これが『有頂天家族』の本丸のメインディッシュで、旨味だ。

・じゃあ京都を知らない人にとっての『有頂天家族』ってどんな作品なの??

・知らない……考えたこともなかった。どんな感じですか?

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