逆にcEDHのいいところを語ってみよう。
初めまして、甲羅と申します。
最近は何かとガチカジュ論争が盛んですが、その中でcEDHの魅力が語られていることがほとんどないと感じました。また、カジュアル統率者プレイヤーの中にcEDHへの誤解があるようにも感じたので、私が感じるcEDHの魅力を紹介したりcEDHへの誤解を解いたりすることで、cEDHプレイヤーに興味を持ってくれる人が増えればと思って筆を取りました。
思いついたことを順番に書いたので漏れもダブりもあるしとっ散らかっているとは思いますが、最後まで読んでいただけると幸いです。
(この記事は全てあくまで個人の感想です。)
自己紹介(飛ばしても構いません)
マジック歴は3年、EDH歴は2年半、cEDH歴は1年です。
カジュアルでは最近『ガフ提督』に夢中になっていて、cEDHでは現在主に『織り手のティムナ』と『ルーデヴィックの名作、クラム』の共闘(いわゆるティムクラ)を使っています。
腕前としてはようやくcEDHで3割強勝てるようになってきたな〜というくらいです。最近初めてガチコマオープンの予選を抜けました。
cEDHの魅力
(急にですます調からである調に変わりますが、下書きを直すのがめんどくさかっただけです。)
・気兼ねなく遊べる
持ってる強いカードもゼェゼェ言いながら買った高額カードも勝利のためにデッキに入れられるし、「デッキレベルが高すぎるんじゃないか、顰蹙を買うんじゃないか」と考える必要がない。『謙虚』も『停滞』も『滅殺の命令』も負けた奴が悪い。『ガイアの揺籃の地』が嫌なら全除去を打つか割ればいい。『Mishra’s Workshop』から『三なる宝球』が飛んできたら消せばいい。消せない?ほな負けやないかい。
こういう考え方ができるのは、cEDHの卓では全員が「強いカード」を止める手段を持っているという前提があるからに他ならない。
・スムーズにゲームが進む
基本的に100枚中90枚くらいは全員がテキストや挙動を把握しているカードなのでサクサクゲームが進む。これをいいと取るか面白くないととるかは人によると思う(現に「オタクカード」が流行っているし私も結構好きだ)。ただ、スムーズにゲームが進むとある種言語を共有しているような気持ちよさがあることは否めない。また1ゲームあたりの時間短縮にも繋がるのでゲームをプレイできる時間あたりの回数が増える。
・「つまらない」ゲームは早く終わる
cEDHでは2ターン目に『むかつき』を打たれるなどして「何も出来ずにコンボされて負けちゃった……」ということが多々あるが、そういうゲームは大体すぐ終わるので「次行こう」「フリプしましょう」で済む話。自分だけ事故って何も出来ないゲームががダラダラ続いたとしても『波止場の恐喝者』一枚引けばまくれることもあるので退屈はしない。
・コンボを仕掛ける、仕掛けられる興奮
cEDHといえばデモコンタッサで終わりでしょ?という先入観があるような気がするが、デモコンタッサは除去以外のありとあらゆる妨害に当たるので覚悟を持って仕掛けないといけない。各種打ち消し、『忍耐』、強制ドロー、『計略縛り』、『天使の嗜み』など割と「何をされても勝たない」全身急所ワザなのだ。cEDHにおいて大事なのはデモコンタッサすることではなく、デモコンタッサを安全に通せる盤面を作りリソースを溜め込み機を伺うことだと思う。
であるからこそ、妨害が無さそう/あっても全部弾けるから突っ込むぞ!と仕掛けて勝ったときの快感は何物にも代え難い。もちろん膠着状態を『魂の洞窟』と『堂々たる撤廃者』の合わせ技で突破したときも最高の気分になれる(『天上都市、大田原』されたら知らん、『偏向はたき』を持ってないのが悪い)。
逆に「何も持ってませんよ〜」みたいな顔をして仕掛けてきた相手を止めるのも、本当に何も持ってないときに仕掛けられて肝が冷えたときに他のプレイヤーが妨害してくれるのも、下家が何か持ってるだろうという前提で妨害があるのに吐かずに優先権をパスするのも全てドキドキワクワクである。
・意外と参入障壁が低い(『魔力の墓所』、『宝石の睡蓮』くらいは必要かもしれないが)
トップTierのデッキが『むかつき』のためにライフ損失を抑えるべく投入するデュアルランドや、『死の国からの脱出』コンボのために投入する『ライオンの瞳のダイヤモンド』など、高額カードを使用するため値が張ることは否定しない。
しかし、固有コンボを持つような統率者では高額カードを必要としていないことが多い。第6回統率者神決定戦のメタゲーム分布では使用者の半数以上が使用者2名以下のデッキを使用していることからも、デッキの多様性は大きいといえる。
(勝手に引き合いに出して申し訳ないが、)例えば第6期統率者神決定戦本戦に出場したトザワさんの『精霊の魂、アニマー』に入っている高額カード(1.5万円以上目安)は『魔力の墓所』『金粉のドレイク』『ガイアの揺籃の地』と各種デュアルランドだけであり、これらが無いと出力や安定感が多少落ちるのは間違いないが無くても十分にcEDHの卓上で戦えるデッキだと思っている。
他にも現環境Tier1の『秘密売り、ティヴィット』で第6期統率者神挑戦者決定戦Top12に残ったキノダさんのリストの高額カードは『魔力の墓所』『宝石の睡蓮』だけであった。
また晴れる屋のイベントや神挑戦者決定戦でもデュアルランドなど高額カードが入っていないデッキで参加している方は結構いる印象である。
・意外とゲーム中、前後でのコミュニケーションが多い
カジュアル統率者の目的として「コミュニケーション」が挙げられるが、cEDHにもコミュニケーションは多々存在する。
むしろcEDHでは優先権の処理を厳密に行う都合上、ちゃんとコミュニケーションを取らなければならない。
ゲーム中は優先権回り、現在の場面状況などの他にも、カジュアル統率者と同様にワイワイとしたコミュニケーションをとっていると感じるし、ゲーム終了後もプレイングやこの卓での立ち回りなど話すことは尽きない。
もちろん淡々とゲームが進むこともあるが、それはカジュアル統率者でも同じことであり、結局は卓に着いている人間に依存するものでカジュアルかガチかという話ではないと思う。
・狙ったプランがカチッとハマる快感
cEDHではプランがあるハンドをキープしないとコンボの応酬やリソース合戦についていくのは難しい。例えば『ティムナ&クラム』ではマリガンによって「最速コンボ」「ティムナ軸」「リス研・レモラ軸」などを選択する必要があり、卓の統率者とマリガンによって選択したプランがカチッとハマり勝利したときに確かな満足感を得られる。
・難しすぎる
cEDHでプレイングミスをしないようにするのは難しい。多くのデッキの中から選ばれた4人で卓を囲むと毎回違う統率者と卓を囲むことになる。卓の順番と統率者の面子だけで毎回違うゲームをしているようなものだ。そのためマリガンの段階から毎回難しい判断を迫られる。
さらに最近では『オークの弓使い』や『フェアリーの黒幕』など相互作用を産むカードが多く、大枠でも細かい部分でもプレイングミスが尽きない。
だからこそcEDHは何回やっても飽きない。さっきのあれは絶対間違っていた、次はこういうプレイングをしてみよう、キープ基準が良くなかった、〇〇のケアができていなかったなど次のゲームが始まるまで考えることは尽きない。
もちろん最終的に同じようなコンボでゲームが決まることは間違いない、ただそこに至るまでのプロセスや判断のタイミングは無数に存在する。そうしたプロセスを楽しむことこそがcEDHの醍醐味だと私は思う。
最後に
繰り返しになるがこれはあくまで私個人の感想である。だからこそ、他のcEDHプレイヤーにもcEDHの魅力を発信してほしいと思っている。
YouTubeを見ると日本語でcEDHを取り扱っている動画がほとんどないし、晴れる屋TC東京ではカジュアル統率者のイベントは毎日やっているのにcEDHのイベントは週に一回しかない。これはひとえに需要が少ないからであると思う。
cEDHの魅力を発信することでcEDHに興味を持ち参加してくれるプレイヤーが増えると私は嬉しい。
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