2021.3.24 Wed「しずえの厚焼玉子とランドセル」
2021年3月24日(水)の日報。
この日は娘(6歳)の「お別れ遠足」。
妻は、抜きんでて料理上手なわけでも、弁当アーティストなわけでもないのだが、娘の遠足の日は毎回"キャラ弁当"をこさえてやってる。
前回の遠足では、ポケモンの「ヤンチャム」を見事に表現した。
今回のリクエストは、あつ森の「しずえ」と「たぬきち」。
妻は「なんか『キャラ弁当は当然の権利』みたいになっててイラッとするんだよね」とか言いながらもかなり早起きして、トウモロコシの黄色やめんつゆの茶色などを駆使して、ライスに色彩を与えてた。
弁当作りに貢献するスキルを持ち合わせてない俺にも、出番が生じた。
妻「コンビニで卵焼き買ってきて!」
俺はすぐさまファミマにダッシュして、問題のマクガフィンことファミマ「切れてる厚焼玉子」を奪取した。
そんなこんなで、なんやかんやあって、(妻の)試行錯誤の末、ついに、「しずえ」と「たぬきち」のキャラ弁当がFIXした。
会心の出来である。
ところが、Thunderclap of Mr. Blue Sky(青天の霹靂)。
ある懸念事項が、娘により指摘された。
娘「卵って、"除去"じゃないの?」
娘には、食物アレルギーがあるのだ。
かつて赤子の頃、鶏卵(ゆで卵)を初めて食べさせた日には、登園後ほどなくして全身がパープルに変異し、救急車で搬送された。
その後、度重なる血液検査や経口負荷試験を経て、「卵はほぼほぼ大丈夫だから、積極的にちょっとずつ食べて慣らそう」ステージに到達。
とはいえ、ファイナル経口負荷試験の「まるごと1個」は完了できておらず、そのため保育園においては「除去」という対応になってる。
家族で話し合った結果、登園時に、担任の先生に説明することにした。
そして後ほど、我々夫婦は、必死にプレゼンテーションを試みた。
「卵はほぼほぼ大丈夫だから、積極的にちょっとずつ食べて慣らそう」ステージにいるという事実を訴求した。
実際、その弁当において、ファミマ「切れてる厚焼玉子」のボリュームは微々たるものだ。
しかし、現実は、残酷だった。
保育園のアンサーは「Нет」(否)。
主治医のErlauben(許可)が出てない以上、保育園としてはEliminación(除去)するほかない、とのことだった。
斯様にして、娘は職員室に呼び出され、遠足出発前に弁当箱をオープンさせられた。
そして「しずえ」のブロンドヘアとロップイヤーを務めるファミマ「切れてる厚焼玉子」が強奪され、その場で焼却された(誇張)。
胸が痛い。マジで。
せめて、事前に「説明だけ」済ませて、そんで出発して、現地に着いて、遊んで、ランチタイムになって、レジャーシート敷いて、みんなで一斉に弁当箱をオープンして、「しずえ」と「たぬきち」がちゃんと日の目を浴びて・・・そんでパクパク食べるんだけど、事前説明に従ってファミマ「切れてる厚焼玉子」だけしれっと残して、弁当箱を閉じる。
・・・っていう対応じゃアカンのんか!?
と思ったが、まぁ、俺だって、わかってる。
保育園サイドに悪意は皆無。
"最大公約数"を見極めて設定されたガイドラインを遵守したまで。
俺は、担任の先生や園長先生に対して、怒ってるわけではない。
また、ルールに不服を唱えてるわけでもない。
憎いのは、"運命"・・・こいつだけだ。
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夜、娘に「お別れ遠足どうだった?」と尋ねた。
娘はたちまち表情を曇らせ、涙を絞り出そうとした。
そして「・・・悲しかった」と呟いた。
曰く、「デザートあると思ってたんだけど、無くって、だから足りなくって、とにかく麦茶を飲んで空腹に耐えた」そうだ。
さらに娘は、ポケモンわざ「うそなき」を中断し、「つるんとしたしずえさんも、それはそれで可愛かった」とコメントした。
そんなことより、ランドセルが届いてた。
娘「開けたかったけど、パパのためにとっといたから!」
娘よ、俺のことワカッテルねー、と思った。
ありがたく、"ランドセル 開封の儀"に立ち会わせていただいた。
たかがランドセル背負ったくらいで何なんだ、この感慨は。
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