iOSショートカットがAI時代のUIに与える影響

AppIntentsには、OpenIntentというプロトコルがあり、インテントを実行した際にアプリを開くかどうかを設定できる。ショートカットのメリットは、バックグラウンドでタスクを実行できることだと思われるかもしれないが、じゃあどのような場合にアプリを開く必要があるのか考えてみる。

まず、アプリには二つの方向性があると考えている。一つは長時間集中して没入するためのもので、もう一つは他にメインの作業があり、その補助として短時間使うものだ。

ゲームや制作作業を行うアプリなどは、ある程度の複雑さと集中を必要とするため、操作するのに基本的にアプリが開かれている方が良い。このようなアプリの場合、ショートカットで特定のViewを開く、または特定の変数を設定した状態でアプリを起動するなどが考えられる。(例: 画像を共有からGoogle Lensなど)

一方、一瞬で完了するタスクに適したアプリは、基本的に開かれる必要がない。例えば、アシスタントに「ちょっとこれやっといて」と丸投げできるようなタスクだ。リマインダーの追加やタイマーの設定、家電を操作するなんかもこれに合ってると思う。

この考え方は、これからのAIアシスタントが中心となるUIにおいても重要だ。AIアシスタントUIの基本原則は、いかにユーザーが操作しないかにあり、ユーザーがするのは「ただ依頼をする」だけであるべきだ。いかにアプリを開かないでショートカットを設計できるかを追求することがAIアシスタントUIをデザインすることにつながっていく。

AppleがAppIntentsというフレームワークを作ったのもショートカットが、SiriはじめAI中心のインターフェースに変わっていく現時点での、一番有効なとっかかりだと考えたのではないかと想像する。Apple Intelligenceが発表され、ついにインターフェースのわかりやすい部分にAIが入ってきた今だからこそ、良くデザインされた実用的なショートカットを作っていくべきではないか。

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