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議員の仕事と議会の機能不全
市議会議員に当選してから一番多く受けた質問
「市議会議員の仕事ってなに?」
これ聞かれるのってけっこう議員あるあるだと思います。
議員によって議員の仕事とはに対する答えは若干違うかもしれませんが、私は
行政のチェック(監視)と政策提言
が主な仕事であると考えてます。
市役所の役目
市民の福祉(幸福)向上のため、山口市では年間約800億円の予算を使って道路整備、水道整備、教育機会の提供、年金医療介護など様々な給付、運動機会の提供の為運動施設整備など実行する項目は多岐に渡ります。
しかし予算は限られているわけですから、全部を一斉にすることはできず、その時々で順番を付けながら、極力多くの市民の皆様がサービスを享受出来るように考えながら日々役所の皆さんは一生懸命仕事をされています。
その市役所のトップが市長で、その市民の福祉の向上の考え方については市長の考えが大いに反映されます。
ですが、当然市長を始めとする市役所の方々も無謬(誤りがないこと)では無いわけですからチェックが必要なわけです。
何故行政だけチェックが必要なのか?
民間企業であれば商品の質が悪い、サービスが悪いということで、市場で商品が売れず、それが続くと倒産するという形で市場によってある意味常にチェックされているわけです。
しかし行政にはそうしたチェックを受ける機会がないし倒産もございません。
また行政は条例(その市や県だけで通用するルール)と言う形で市民の行動に制限をかける事ができます。
それを野放しにしてしまっては、ある意味なんでも出来ちゃうわけです。
そうしたことから、それをチェックする機関として市議会議員が存在しているのです。
政策提言の必要性
またもう一つの政策提言機能ですが、世の中には多様な方々がおり、多様な考え方が存在しています。
しかし行政機関という一つの機関がその多様性をすべて吸収できるかというと難しい。基本的に同じ職場で働く方々なので、わりと同じような属性になりやすい。
そうした事から多様な考えを伝える人必要がで、議員が市民の代表となって想いや政策を伝える必要があると考えます。
議会
そうしたチェックと政策提言を行う場が議会です。
一番メインとなるのが、一般質問という形で議員が議場で山口市だと三ヶ月に一度、1時間の時間をもらって先程のチェックや政策提言をしています。
(写真はケーブルテレビ中継もされている一般質問での一コマ)
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その他にも、各部(経済系、福祉系など幾つかの部が役所にはある)ごとに詳しくチェックや意見する委員会。
政策をまとめて市長や部長に直接要望するというような形もございます。
政策提言やチェックが機能していない
全国各地で、議会が市長の追認機関に
今全国各地で問題になっているのが、このチェックや政策提言が機能していないという事です。
行政(市長)は予算を使う、条例を作るという場合は議員の承認が必要なので3ヶ月に1回ある議会において予算案、条例案を我々議員に対し承認を求めてきます。
議会は基本的には多数決で物事を決めます。しかし山口市でもそうですが、市長と多数の議員が同じ政党(多くの議会は自民党)に所属しており、同じ政党の議員が過半数を握っている場合、市長が出してきた案に反対することはまずございません。例えば、山口県議会はなんと1972年から一度も否決(その出てきた案を却下する)されたことはございません。このように何十年と否決される事はないという事態が全国各地で起きているのです。
冒頭にも申しましたが、行政や市長が無謬であるはずがないので、常に追認するという事実は議会が機能不全に陥っている証拠ではないでしょうか?
ただし案が出てくる前の段階で案を修正したり、却下したりということは行われていますので、議会が機能不全に陥っているのではなく、見えないところでやっているんだ、という議員もいらっしゃますが、やはり市民に見える形で議会でしっかりと議論する事が重要ではないでしょうか。
しかし実はその事態を招いているのは我々野党の不甲斐なさで、我々野党が数を増やし議会を拮抗させて緊張感ある、機能する議会を作っていかねばなりません。