HARDCOREの心得
Halcyonです。
今日は私の好きなHardcoreという音楽ジャンルについてオタク特有の早口で語り倒したいと思います。この記事は私の独断と偏見とその他もろもろに基づいて書かれていますので私の趣味嗜好に沿った記事になっています。ご了承ください。
Hardcoreとは?
ハードコアテクノ(英: hardcore techno)は1990年代初期から半ばにかけ、オランダのロッテルダム、アメリカのニューヨーク、オーストラリアのニューキャッスルなどで同時発生的に出現した電子音楽のスタイルである。ベルギーのニュービートを源流とし、高いBPM(160–200 BPM。時にはそれ以上)と、主張の強いビート、大胆かつリズミカルなサンプリングが特徴。1980年代末頃に機能が充実したPCM音源やサンプラーが相次いで登場し、その機材群が活用されている。ハードコアと略されるが、USAやロシアにあるエモーショナル・ハードコア(英: emotional hardcore)あるいはハードコア・パンク(英: hardcore punk)と混同される事もある。(Wikipediaより抜粋)
つまり、電子音楽のひとつってこと!
ただ、EDMなどと違うのは、BPM(テンポ)がEDMと比べて速いこと。EDMが大体BPM128付近なのに対してHardcoreは上記の通りBPM160-200と速いことがわかります。
また、Hardcore(ガバ)の特徴として「ガバキック」という歪(ひず)んだキックドラムが使われている点が挙げられます。他の電子音楽ひいては全般の音楽と違い、このガバキックはHardcoreにおいてメロディーと同じかそれ以上に重要な要素であり、曲の雰囲気はこのガバキックで決まると言っても過言ではありません(曲やコンポーザーにもよりますが←ココ大事)。
ガバキックはこんな感じのやつ↓
また、HardstyleやRawstyle、Frenchcoreといったジャンルもあります。これらもガバキックのような歪んだキックが特徴的(それぞれハードスタイルキック、ロースタイルキック、フレンチコアキック)ですが、キック(リリース)に音程があるという特徴がガバと比べて顕著に表れます。基本的にはアタック部分は一定の音程でリリースの音程を変えることでベースの役割を担いますが、RoughSketch氏(後述)のようにキックのアタック部分でメロディーを奏でてしまう人も。ハードコアテクノには非常に多種多様なキックが存在し、それらにはコンポーザーの個性が現れやすいため、キックを聴くだけで誰の曲かわかってしまうこともあります。
いろいろ比較ができるいい動画達
・HARDSTYLE VS HARDCORE #1
・RAWSTYLE VS HARDCORE #1
・FRENCHCORE VS UPTEMPO HARDCORE #1
その他諸々
Hardcoreはどうやって作られるのか?
たくさんの特徴をもつハードコアテクノですが、それらは一体どうやって作られるのでしょうか。
私自身、作り上げたことはありませんが作ってみようと思って色々調べたり実践してみたりした経験があるので、私が知っている範囲で書こうと思います。
ハードコアテクノに限らず、電子音楽は基本的にDAW(Digital Audio Workstation)というソフトウェアを用いて制作されています。このDAWには様々な種類があり、有名なものだと
・Cubase
・FL Studio
・Studio One
・Ableton Live
・Logic Pro
などがあります。これらは全てPCソフトですが、スマホにもこのようなアプリは存在していて、
・GarageBand
・Medly
などがあり、誰でも気軽に電子音楽が作れちゃったりします。
これから書く内容はあくまで一例であり、様々な作り方があります。詳しく知りたい方は「ハードコア 作り方」とかでググってみてください。
ガバキックの作り方
Hardcoreの肝になるガバキックですが、どのように作るのでしょうか。
基本的には、ソフト内でシンセドラムを立ち上げ、ディストーションをかけて歪ませます。ディストーションプラグインにはCamel CrusherやOTTなどがよく使われます。ただ歪ませただけでは耳に不快な音になったり、音が割れてしまったりするので、イコライザー(EQ)で不要な周波数帯をカットしたり、逆に歪ませたい周波数帯を持ち上げたりします。ガバキックに正解はないので、好きなだけ歪ませましょう。
色々なキックの作り方
【DTM】ガバキックの作り方/Gabba Kick Tutorial by DJ TECHNORCH
Hardstyle Kick チュートリアル 2018 by yutayuki (日本語字幕)
多くの曲では、一つの曲中に数種類の違うキックが使われていたりします。1種類のキックだけを鳴らすのもいいですが、前述のとおりキックは曲の雰囲気を左右する要素なので、曲中で数種類キックを鳴らすことで曲調に変化をつけることができ、よりアガる曲になると思います(ただ種類の違うキックを何個も作るとなるとかなり大変ですが...)。
メロディ、スクリーチ、声ネタetc...
メインとなるキックが完成したら、次はメロディーとコード進行を作ります。ハードスタイルなどにする場合はコードに合わせて音程を変えたキックを用意しておきます。
ハードコアにはメロディーの他にスクリーチという叫び声のようなシンセパートを入れることがあります。スクリーチはシンセのパラメータを弄ったりディストーションをかけたりして叫び声のような音を作ります。詳しくはDJ Myosuke氏の記事(後述)参照。
パーカッションを入れたり、声ネタを入れたり、エフェクトをかけたり、ビルドやリフを入れたりして仕上げたら完成!
細かいところまでFL Studioを用いて解説されているDJ Myosuke氏のハードコアの作り方の記事があるので、ぜひ読んでみてください↓
俺的おすすめコンポーザー&曲(海外編)
以下敬称略
ゴリゴリのハードコアが聴きたい!って人向け
・Angerfist - Pennywise
・Miss K8 & Angerfist - Bogotá
・D-Fence & Deadly Guns - Wall Of Bass
・DJ Mad Dog & AniMe - Hardcore machine
・Access One - The Cabal
Hardstyle、Rawstyle、Frenchcore、etc...
・Sub Zero Project - Patient Zero
・Bass Modulators - Dragonblood
・Anderex - Deathray
・Hard Driver - #NOSLEEP
・Sub Zero Project - All For One
俺的おすすめコンポーザー&曲(国内編)
海外編ではおすすめの曲とともに紹介しましたが、国内編はおすすめしたい曲が多すぎて記事がとんでもない長さになってしまうので文字のみの紹介にさせていただきます。
ガバ
・DJ Myosuke
HARDCORE TANO*C所属。ガバの持ち味である攻撃的なサウンドを得意とし、代表作に「Black Territory」「Source of Creation」などがある。ちなみにこの記事の題名は氏の作品「HARDCOREノ心得」のパクリ。見た目がイカツい(褒め言葉)。
・RoughSketch
IOSYS所属。本記事ガバキックの作り方編で紹介したキックのアタックでメロディーを奏でた「666」「MAYHEM」などの個性的な曲や、「Puppet Nightmare」などがある。BPMが4桁になる日もそう遠くないだろう。
・Noisenecio
HARDCORE TANO*C所属。本場ヨーロッパ風の作風を得意とするため、筆者は最初海外のコンポーザーだと思っていたがめちゃくちゃ日本人だった。おすすめは「Machinery Avoid」「Nighttime Fears」。
・Team Grimoire(DJ Grimoire)
名前にteamとあるが中身は一人。民族音楽やクラシック調のハードコアを得意とする。Laur氏との合作「Grievous Lady」は音ゲー界隈の人間なら知らない人のほうが少ないだろう。おすすめは「C18H27NO3」「Kathastrophe」。
ハードスタイル&フレンチコア
・Massive New Krew
HARDCORE TANO*C所属。Javelin(篠崎あやと)氏とTachibana氏の2人組ハードスタイルユニット。海外のコンポーザーとの合作も多々あり、海外からの人気も高い。おすすめは「LOSE CONTROL」「Dragoon (Sword of the valiant Ver.)」。
・Yuta Imai
Dirty Workz所属。Sub Zero ProjectやHard Driverなど有名ハードスタイラーが所属する世界最大のハードスタイルレーベルDirty Workzと契約を結びアジア人として初めてのメンバーとなった。おすすめは「How Could You Say」「Rising Sun」。
・USAO
HARDCORE TANO*C所属。特徴的な声ネタとキックを用いたフレンチコアを得意とする。普段はいらすとやのウサギで顔を隠しているが、DJ動画では普通に顔出ししており、twitterと真逆のまさかのイケメンに全米が泣いた。おすすめは「Knifehead」「Climax」。
他にもたくさんあるが、書ききれなくなってしまうのでこの辺で。
おわりに
ハードコアは海外(主にヨーロッパ圏)で絶大な人気を誇っていますが、日本国内の知名度や人気はまだまだ低く、マイナーな音楽という立ち位置にいると感じます。確かに万人受けするような音楽ではないのでしょうがないのかもしれませんが、これから日本国内でも人気が高まってくれると嬉しく思います。