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現実を直視できない人

自慢ではないが僕は、周囲の人よりも転職回数が多い。しかもなんだかんだ人からの紹介ということであまりしっかりと転職活動をしたことがない。
しかし、少し前に転職した際には、今度こそ紹介ではなく自分の力で転職活動をしよう、と決めて取り組んだ。
その時の転職ではかなり苦労したが、多くの学びがあったのでそんなことは別にまた記事にしていけたらと考えている。


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さて、僕は紹介での転職が多かったので、実は転職活動をかなり甘くみていた。実際、所属していたどの会社でもきちんと成果は出せていたし、学歴も普通より上くらいではあるので、自分自身を希少価値があると思い込んでいた。
自身の所属しているコミュニティでも、今の年収を伝えると「もったいない、君ならもっと高い給料をもらうべきだ」といった言葉をかけてもらうことも、それなりの頻度であった。

しかし、どこへでも転職できると思っていたら、書類落ちの連続であった。


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書類落ちしている、ということは自分の書類が求めている企業や職に見合わない、と判断されたということだ。今思えば、文章の伝え方などのテクニカルな部分と、過去にどんなことをして何ができるか、の部分との両面で攻めるべきであったが、当時は伝え方に問題があると考え、毎日のように書類を書き直していた。


しかし、そうしても書類選考の通過率は上がらなかった。いつしか、文章をどれだけブラッシュアップしようが、中身が変わらないと結果は変わらないのだとぼんやりと感じるようになっていった。


正直、心の底では割と初期に気が付いていたのだと思う。ただ、現実を直視できなかったのだ。過去の変えられない事実は、僕が応募する企業にはスキルが及んでいないのだ、と。


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応募書類の中身を見直すことは、自分の過去や、応募要項と比べて足りないことと向き合う作業であった。これを長い間避けていて、いよいよ向き合うとなると本当に辛かった。それは自分に足りないものやできないことを認めることと同義だからだ。


僕は、それなりに成果を出してきた方だと思っていた。しかし、それは井の中の蛙で、小さい世界の中での話。それがより広い世界に出ると大したことはない。受け入れがたい事実だし、薄っすらと気付いていたが認めたくないという精神的な弱さもあって、その時はかなり落ち込んでいた記憶がある。


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この時になんとか踏ん張れたのは、良くも悪くも低い収入だったこと。ここで折れたらずっと低収入のまま、結婚なんて夢のまた夢、生きていくだけで精一杯の人生でいいのか?という気持ちを燃料にして、自分の弱さと向き合うことにした。

時間をかけて徐々に冷たい水に慣れていくように、自分の裏側と接していった。なるべくフラットな気持ちを心がけることがコツだったように思う。


そうやって自分の事実を認めていくことで、書類の書き方も変わっていき、選考も進んで無事にかなりの収入アップで内定をいただくことができた(以前が低かったので人並みくらいになったという方が正しい)。

等身大の自分を受け入れることができただけで、僕は大きく変わることができたと思う。本当の自分らしさを手に入れたと言えるかもしれない。


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僕はそうやって事実に向き合って、その事実に対してきちんと振り返りをすることで成長できた。振り返ることも慣れてしまえば全然怖くないし、最近では楽しくなって毎日寝る前に振り返りをしているくらいだ。


振り返りができると次の行動に活かせることもわかり、行動力も上がった。
考えて行動して振り返って、また考えて行動する。これを繰り返すことで昨日の自分とは違った実感を得られる。


なんとも言えない心の充実感は、味わった人にしかわからない活力なのではないだろうか。
ぜひ自分自身と向き合って、振り返りをして、過去と今との差分を把握してみてはいかが?


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エヴリカ│失敗と学びを記す者
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