シャドウバース新モード「ガントレット」は最高の合法ギャンブル

この度、シャドウバースに新たな対戦モード「ガントレット」の実装が告知されました。

これについて簡単に感想を述べていこうと思います。

概要について

新モード「ガントレット」の概要を簡素にまとめると以下の通りとなります。

■参加費:2000円前後(クリスタル購入数によりやや変動)

■対戦形式:BO1を最大9回戦。2敗で強制敗退。

■勝利報酬(上記サイトより抜粋)
0勝:なし
1勝:100ルピ
2勝:200ルピ
3勝:500ルピ
4勝:1000ルピ
5勝:2500ルピ
6勝:5000ルピ
7勝:10000ルピ
8勝:20000ルピ、OOS ガントレット: ローテーション優勝(称号)

ユーザーの反応

観測したところ、大体以下のような意見が見られました。

■ポジティブ

「新しい腕試しの場が設けられるのは良いこと」

「配信映えしそう」

■ネガティブ

「これは露骨な集金策」

「シャドバもこんなことやるようではサ終も近い」

ネガティブ寄りの意見の方を多く見かけました。この辺りはポジティブな意見を持つ人はわざわざ口にしなかったりしますから、正確なところはどうかわかりっこないですが、概ねシャドウバースの施策の中では不評な方であるようです。

ガントレットは「集金」なのか

「ガントレットは集金策である」

これが事実かどうかといえば、まあそうではあるでしょう。

ルピ(無償通貨)ではなくクリスタル(有償通貨)での参加が必須であることから、ユーザーへの課金を促す策であることは間違いありません。

しかしそもそも、ゲームの売り手が課金を促すことが即ちユーザーの不利益に繋がるかといえば、必ずしもそうではありません。

以前に存在した有償通貨限定で参加できる取り組みに、「有償プレリリース」がありましたが、あちらも不評寄りに受け止められていたようです。

他のデジタルゲームでのプレリリースイベントはどうかというと、参加できるのは、宣伝効果のある配信者や上位プレイヤーに限られています。

これを踏まえると、課金さえすればいち早く新カードに触れられる場が提供されたことは、有難いことこの上なかったのですが、「課金ユーザーのみ大会で有利になる要素は歓迎できない」というのが世論でした。

確かにこれは理屈の通った意見です。無課金でもがっつり遊べることも多くのユーザーを獲得してきた一因である本ゲームにおいては、今後も無課金ユーザーの反発を招く施策の実装というのは、大きな課題になってくるのかもしれません。

しかしながら今回の「ガントレット」については、「プレリリース」とも大きく趣が異なる施策であると言えます。

「ガントレット」は実装済みのカードのみで対戦を行い、得られる報酬も今後の対戦において他のユーザーよりも有利になる要素がない、「完結した一つのイベント」です。

参加のする、しないはユーザー個々の自由意思に委ねられてはいますし、参加したくなければ参加しないで、何ら不利益を被ることはありません。

(実際、私も今期は参加するかどうかかなり怪しいです。)

よって、以下に示す例に比べれば、シャドバの課金煽りは「かなりマイルドである」と自信を持って言えます。

「集金」「サ終」といった簡単で力がある言葉は便利ですが、実際にじっくりと定義を考え、他の例と照らし合わせながら言葉を選ぶことも、時には大切であると思います。


ユーザーにとって不利益となる「集金」の例

「プレリリース」ですらユーザーへの不利益は微々たるものであると考える私ですが、過去には「これは"ナシ"だろう」と感じた集金策も、他のDCGにはありました。せっかくなのでいくつか紹介しましょう。


①生成できない高レアリティの必須カード実装

カードセットの購入で確定チケットを入手できる救済策はありましたが、高レアリティの、しかもデッキの中核を担う必須カードで、新パックの目玉ともなる要素を、個別の生成ができない状態での実装は、当時衝撃的でした。

その後しばらく(本当にしばらく)して(かなりの高レートで)生成可能となりましたが、その後まもなくゲームごと消滅しました。


②ソロモードで課金を煽るために強力なカードを禁止指定

大々的に宣伝したソロモード実装後、強力過ぎるとして「一人用モードに関わらず」禁止カード指定の告知がありました。

あまりに不評だったため、即日撤回されました。


③カードの個別生成ができないゲームで、最高レアリティカードのの上位互換を短期間に実装

個別カード生成不可の時点で驚きましたが、「アックスレイダー」の3日天下ぶりには驚きを通り越して呆れました。

余りにユーザーを馬鹿にしたやり方に、今後はよほどのことがない限りコナミのゲームに金は落とさないと、心に決めたほどです。

(マスターデュエルへの課金も相当躊躇いましたが、あれは遊戯王であるという点と、高レアリティ汎用カードの多さを除けば大変素晴らしいゲームです。)

他ゲームでの類似のイベント例

他のDCGでも、「ガントレット」に類似したイベントは行われてきました。

そちらの方ではあまり不評の声は聞きませんね。(MTGでの参加費や賞金報酬改定は別として)

①ヒロイック酒場の喧嘩/ヒロイック・ゴロシアム(ハースストーン)

②アリーナ・オープン(MTGアリーナ)

有償通貨限定かどうか、その後に続くイベントの有無など相違点はありますが、リスクとリターンの釣り合いの観点で言えば、「ガントレット」はこの手のイベントの中では報酬のコストパフォーマンスは高い方であるように見受けられます。


結論:ガントレットは最高の合法ギャンブル

さて、「集金策」と評される新モード「ガントレット」について触れて参りましたが、私としては概ね良い施策であると感じました。

気になる点といえば、運次第では即2敗ということもありますから、それでプレイヤーの意欲が削がれ、リピーターが減少する、という現象も考えられることでしょうか。

グランプリ予選と同様、9戦行って最終戦績で報酬を獲得できる方が、このゲームのユーザー層にも合っていると感じますし、私個人としても参加に意欲的になれますね。


結局のところ、この手の基本無料ゲームでは

「まんべんなく広いユーザーから集める」

「一部の集められるところ(ヘビーユーザー)から集める」

のいずれかのおおまかな方針に、舵を切っていくことになるのでしょう。

「シャドウバース」では資産が安定してくるとほぼ無課金でも全く問題なく必要なカードが揃いますから、この辺りでヘビーユーザー向けの施策を打ち出していくことも、きっと必要なのでしょう。


では、参加しない(参加できない)ユーザーにとってこの手の施策が不利益に繋がらないとして、逆に利益に繋がることになるか、といえば、私はその通りであると考えます。


私は、サービスが終了すると手元に資産が残らないタイプのゲームにおいて、長い間サービスが継続されることが、最大のユーザーにとっての利益であると思っています。

この手の集金策は、いわば「公営ギャンブル」です。

持てる者(ヘビーユーザー)から自由意思で集金することで、自治体のインフラを整備する(サービスの継続を支える)ための資金源とすることができます。

ゲームの提供者は売り上げを獲得し、参加しなかったユーザーも長くゲームを遊べ、参加者は勝てば大きなリターンを得られる。みんな幸せ、ハッピーですね。負けた人以外は。





全く関係ないのですが、ハッピーといえば、このタイミングで国内最大手DCGに合法ギャンブル実装は激アツだな、と個人的には思いました。違法ポーカーより健全で良いですね。

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