RAGEにおけるオポネント計算によるプレーオフ進出決定方法の問題点

RAGE(shadowverse)では長年、勝ち点のみによってDAY2からプレーオフ進出者を決定していましたが、今回は勝ち点に加えオポネント(対戦相手の勝ち点)が加味されました。
これにより、同じ勝利数でもプレーオフに進出できるか否かが分かれ、批判の的になっているようです。
今回はこの件について少し書いていきます。


■RAGEの運営は他のカードゲームに比べかなり良くやっている


まず、参加者にとって望ましい大会運営とは何かという定義ですが、私個人は「勝敗において理不尽な出来事が発生しない」ことであると考えています。
この点で言えば、他のカードゲームの大型大会に比べ、RAGEはこれまで上手にやってきたように思っています。

第一に、これはデジタルとアナログによる違いと言えばそこまでなのですが、制限時間を巡るトラブルの一切からの解放が大きいです。
他タイトルでは制限時間切れによる両者敗北やその時点での判定による勝敗決定は日常茶飯事で、互いの実力を出し切れないままゲームが終わるのは、参加者として釈然としないでしょう。
特に、それが相手のスロープレイによるものであれば、悔やんでも悔やみきれません。

第二に、ジャッジの介入度合いが低く、人為的ミスが発生する確率はかなり抑えられています。
ジャッジによるルールミスや罰則の適用における個人差がほぼ皆無で、不条理な判定による敗北はほぼ起こり得ません。
(ここ1年ほどは、聞いたところそれ以外の部分で運営の不手際も若干増えていたようですが…)

筆者自身もオフライン・オンライン問わず十数回参加しましたが、これまでに運営や対戦相手に起因する、勝敗に関する理不尽な出来事は、一度たりとも経験していません。
これは革命的なことです。他タイトルでは相手のスロープレイや明らかな欠陥のある予選システムでトーナメント進出を逃した身からすれば、RAGEの運営にはかなりの信頼を置いています。

■オポネントによる決定は広く他のカードゲームでも行われている


今回導入されたオポネント計算による決勝トーナメントへの進出決定は、広く他のゲームでも取り入れられています。
トーナメントの既定人数を揃えるための調整手段として、長い間多くのゲームで取り入れられてきた方法ではありますし、そこに大きな不満の声があがっているのも、あまり聞いたことはありません。

「オポネントがあるのにドロップするのはいかがなものか」という提言を目にしたことはありますが、どちらかといえばその意見自体が批判される傾向にあったと記憶しています。
「対戦相手の実力も考慮しよう」という理念も、機会の公平性を担保する手段としてのオポネントの導入も、それ自体は肯定的に捉えています。

よって、今回の問題は、プレーオフ進出におけるオポネントの導入そのものや、任意のドロップや2敗による強制ドロップとの併用が本質であるとは思いません。

■これまでのRAGEの問題点


オポネント計算により特定の選手が有利に、又は不利になるというのは、実は以前のRAGEでも起きていたことでした。
これまでは勝ち数のみによってプレーオフ進出を決定していたため、全勝者とオポネント上位者は対戦回数が少なく、オポネントが低い場合は対戦回数が多くなる、という現象が見られました。

全勝者に不戦勝が与えられるのは他のタイトルでもよく見る光景だったので異論はなかったのですが、スカスカのトーナメント表でオポネントにより対戦回数が変わるくらいであれば、規定人数までオポネント上位者を拾い上げる方が良いのではないか、と筆者は以前から考えていました。

■今回のRAGEの問題点


上記の理由により、オポネント計算をプレーオフ進出決定に導入すること自体はかなり賛成寄りなのですが、それには1つ大きな条件があります。

「理不尽な思いをする選手が多くならないこと」です。

オポネントは選手自身の意思決定により変動させることが困難な要素で、その理念は公平かもしれませんが、結果に対する不満も大きくなりやすい欠点があります。
特に、所謂階段マッチ(勝利数が1つ少ない人との対戦)などは運営の都合上避けられないものではありますが、そこに割り振られた選手には一切の非がありません。

上記の他タイトルの例を好意的に紹介したことや、以前までのRAGEに対しての意見に一貫しているのは、
「オポネントは一部の人が幸運で救われるためにあるもので、不運な選手を理不尽に切り捨てるためにあるものではないだろう」
という考えです。

他のタイトルでオポネントが導入される場合、1敗までは確実にトーナメントに進出でき、若干名の2敗した選手が救われる、といった運用となるのが一般的であると理解しています。
また、これまでのRAGEのように規定人数に大きく足りないトーナメント表により、同じ勝利数でも対戦回数が変わるくらいなら、2敗の選手のうちの若干数をトーナメントに進出させては、という意見も、「オポネントで不運な人を出すくらいなら、幸運な思いをする人を出そう」という考えに基づいています。

もちろん、万人が納得するシステムというのは構築ができません。
全勝者からすれば、自分より多く負けている人と同じ扱いであることに不満があるかもしれません。
同様に、2敗した選手の中にも、一部の選手のみが勝ち上れることを「ずるい」と思う人もいるでしょう。
(2敗している以上は諦めがつく人の方が多いでしょうけれども)

1つ確かなことは、今回のRAGEでのオポネントシステムは、他タイトルやそれまでのRAGEでのオポネントによる差異より、納得できない選手が多かったことです。

■改善案


元々プレーオフは最大3回戦で行われていたのですから、8×8の最大64人が勝ち上がれるようにして、5-1までは確定で勝ち上がり、全勝者に不戦勝を出すならばその人数だけ引いて、残りを4-2の若干名で埋める、で問題なかったように思います。
DAY1への参加人数を決める時点で簡単に最大進出者数は調整できますしね。

わざわざオポネント計算後に選手への連絡などをする手間をかけるくらいなら、救われる選手が多いに越したことはないでしょう。

ここで書いても仕方のないことですし、今回筆者自身はDAY1で落ちているので関係のないことかもしれませんが、一度プレーオフで自分だけ3回戦やったときから細々と思っていたことなので、ちょっと書いてみました。

暇があったらRAGEの運営にもご意見フォームから意見を飛ばしますが、サイの字の系列は割とユーザーの意見を拾い上げてくれる印象があるので、次回からの改善に期待しています。

個人的には、前回までのシステムに完全に戻してしまうよりは、「オポネントにより救われる選手が出てくる」ような仕組みになることを願っています。

以上。

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