茶わん蒸し・母
実家に帰る度に、リクエストする。
とにかく、おいしい。
「母」から、秘伝の「茶わん蒸し」を教わった。
普段は、感覚で作っている「母」。
たまご、だし、具材。
数値化し、教えてもらった。
自分で作ってみて、
おいしい、けど、少し違った。
材料、水の量、時間、
茶わんの大きさは、習った通りに。
しかし、
心がふくらむ、温かな味を生むには、
たまごの大きさ、だしの濃度、などを考慮した
感覚の調整が含まれているようだ。
一長一短には、うまくいかない。
だからこそ、面白さがある。
新たな知恵を授けてくれた、
「母」に感謝している。
温かい「茶わん蒸し」を食べながら、
家族の温かさに浸った、一日だった。
数値化できるものが、全て重要とは限らず、
重要なものが、全て数値化できるとは限らない。
アルベルト・アインシュタイン