「致知」 新春特別講演会〜人間力を高める〜
1月18日東京プリンスホテルで開催された、致知出版社主催の講演会に参加して参りました。
今年102歳になられる茶道裏千家の千玄室大宗匠、一度も座ることなく水を飲むこともなく、張りのあるお声で1時間の講演をされました。
戦時中、学徒出陣で海軍に入隊し、特攻命令を受けたが飛び立つ寸前で待機命令が出て、そのまま終戦を迎えられます。
「本来なら私の命日は1945年6月21日でした」と仰っていました。仲間たちが沖縄の海に今も眠っています、と…。
茶道でお茶碗を回すのは正面を避ける、つまり相手と正面衝突しない、少し身を引いて相手に譲る精神だということを初めて知りました。
世界中の皆が、自分は一歩引いて相手に譲る謙虚さを持っていたら戦争は起きないと。本当にその通りだと思いました。
朝起きて洗面所の鏡の前に立ったら鏡の中の自分に向かって明るい顔で「おはようございます」と挨拶するのを習慣にされているそうです。
鏡に向かって自己を省みて、今日も新たにやるぞという思いを起こす儀式のようなものだと。
私も明日から実践しよう!と思いました。
そして、古事記、日本書紀、新日本書紀を読みましょう。と仰っていました。私どれも読んだことがない…。今年こそ少しずつでも読み進めなければ!と思いを新たにしました。
大宗匠は今も読書を欠かさないそうです。
お姿を拝見できただけで感動し、そのお話にまた感銘を受けました。
先人たちが命を賭して守ろうとしてくれたもの。
その想いを受け継いで、今度は私たちが次の世代に伝えていかなければいけない。
そのためにもっともっと勉強しなければいけない、と奮い立たされました。
お二人目は栗山英樹監督。現在は、北海道日本ハムファイターズのチーフベースボールオフィサーという肩書です。
WBCで世界一になった時の舞台裏、どうやって世界一を勝ち取れたのか?というお話でした。
正直、私は野球にあまり興味がないので、WBCも途中途中でチラチラ見ているくらいだったのですが、プロ野球の監督というのはこんなにも緻密にあらゆる場面の想定をして、頭をフル回転させているんだ!ということに驚きました。
栗山監督もとにかく読書家で勉強家でいらっしゃいます。ご著書「栗山ノート」にもある通り、古典をたくさん読まれています。
古典や先達から学び培った人間力があるからこそ、この勝利があったんだと確信させられました。
「神様が味方してくれるほどの努力をしているか?」という言葉が印象的でした。
WBCの試合内容に関するお話も多かったのですが、野球に疎い私でも引き込まれて最後まで興味深く聞き入りました。(笑いもたくさん!)
講演慣れしているとはいえ、熱のこもった話し方、野球が好きでたまらないという感じが伝わってきて、誠実なお人柄が伺えました。
栗山監督が一番心を砕いたことは選手たちを「チームの一員ではなく、自分がチームだ。俺がやらなきゃ誰がやる!」という気持ちに持っていくことだったそうです。
それと、全員が私心を無くす。そのためにどうすればよいか?
チームプレイで勝つためには、技術ではなく心のあり方をどうやって作ってチームをまとめ上げていくのか、が大事なのですね。
そこで必要なのは「人間力」に尽きることが納得できるお話でした。
素晴らしい人間力をお持ちのお二人の謦咳に触れ、参加して本当に良かった!と思える講演会でした。
【番外編】