眼鏡者の憂鬱
眼鏡の力を借りて、世界の美しさをはっきりと感じることができる者。
「眼鏡者(めがねもの)」
眼鏡がないと周り全体が霞むので、生活するにも一苦労だ。
まず、人の顔が認識できない。
特徴のある人であれば、なんとなく見分けることができるが、そうでない場合はもはや誰が誰やら分からない。
かと言って、自分の顔を相手の顔のすぐ近くまで寄せてしまうのは失礼だ。
相手の不快指数は一気にMAXを超えてオーバーヒートするに違いない。
遠くの字が見えないので、目を細めて見ようとする。
すると、目つきが悪いと思われ嫌われる。
怖いお兄さんがいる場合には、ドヤされること待ったなし。
キレイだと言われる景色を見ようにも、眼鏡者は「眼鏡」を通してその景色を見る訳だから、本当の美しさを見ることができているのか分からない。
もし、ブルーライトカット加工がされていようものなら、やや青みがかった景色になっている。
それで本当にキレイな景色を見ていると言えるのだろうか?
はなはだ疑問である。
このように、眼鏡者は憂鬱に囲まれて生活している。
でも、一番憂鬱に感じるのは、眼鏡のツルに負けた時だ。
耳輪の裏っ側がヒリヒリと痛む。
ツルが触れれば痛むし、痒いと思ってかこうものなら目も当てられない。
何が言いたいのかというと、今日は眼鏡に負けてますねんってこと。
そう、ただそれを書いただけ。
寝る前にオロナインでも塗ろう。
明日はきっとコンタクトをする。
今度は、コンタクト者の憂鬱に襲われることだろう。