#30 交換ノートやろうよ
できるだけ悪ふざけして子どもに絡んでいく。
うざ、とか、きも、とか言われて。
奥さんに、そのうちホントに嫌われるよって笑われて。
いつのまにか小学校の高学年にもなって。
女の子だからホントに嫌われたりしそうだ。
思えば、僕の父がそうだった。
いつも変なことばかり言って、子ども達から怒られて。
母親に窘められることも多かった。
でも、みんな、お父さんがまあまあ大好きだった。
数日前、子どもが小ぶりのノートを僕に渡してきて。
交換ノートやろうよ、だって。
小さい頃から何度もやって。
何度も途中でフェイドアウトしてるのに。
またやるの?って思ったけど。
今日の良かったこと悪かったこと書いて持ってくる。
最後に、お疲れさま大好きだよって書いてある。
僕は次のページに簡単に絵を描いて。
ちょっとした言葉を添えて。
昨日はひどく疲れてたので、倒れておならしてる絵を描きました。朝、子どもはげらげら笑ってました。
僕が育ったのは。
いつもふざけた父がいて。
それに呆れる母がいて。
子どもたちは面倒くさがって。
そんな家庭。
大人になって家族ができて。
それが幸せだってことにはっとした。
だから、僕は今日も悪ふざけして子どもに絡んでいく。
うざ、とか、きも、とか言われて。
交換ノートやろうよ、って。
いつまで言ってくれるかな。