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鉄鋼・非鉄金属の違いと快削材・難削材について【後編】

【前編】の続きで今回は非鉄金属の種類や金属材料の「快削材」と「難削材」についてご紹介致します。

非鉄金属の種類について

非鉄金属とは、鉄以外の金属の総称で、鉄とその合金である鋼をのぞく金属のことです。その生産量は鉄の生産量に比べて少ないことから、ひとまとめにして非鉄金属と呼ばれており、アルミニウムなどの軽金属、銅や亜鉛などのベースメタル、レアメタル、レアアース、金銀などの貴金属に分けられます。

アルミニウム

アルミニウムは、金属材料のなかでも軽い金属材料です。
柔らかく加工しやすいため、アルミ缶やサッシなどの日用品にも多く利用されています。

マグネシウムや銅をまぜたアルミニウム合金の「ジュラルミン」軽量でありながら丈夫なことで知られ、航空機の構造素材としても使われています。

融点が低く鋳造しやすいため、ダイカスト鋳造によるアルミダイカストの材料としても使われます。


銅は精錬がかんたんなため、古くは青銅器や農具などに使われています。
工業用途では、加工性・耐食性・熱伝導性・抗菌性に優れ、医療や船舶、電子部品などの分野で多く使われています。

銅と亜鉛の合金「真鍮(しんちゅう)」は、電気伝導の特性からコネクタなど接続器にも活用されています。また真鍮に鉛を添加した銅(黄銅)は「快削黄銅」とも呼ばれ、被削性が向上します。

亜鉛合金

亜鉛合金は、亜鉛にアルミニウム・銅・マグネシウムなどを混ぜた合金です。ダイカスト鋳造(亜鉛ダイカスト)の材料として、古くから使われています。

溶解温度がアルミニウムより低いため、複雑な形状の整形が可能。
生産コストも低いため、産業用の機械部品から子供用のおもちゃまで幅広く使われています。被削性も高く、切削加工にも向いています。

チタン

チタンは、強度・軽さともにすぐれた金属材料です。
耐食性・耐熱性にも優れるため、自動車エンジン部品や航空機部品などで広く使われています。また生体親和性も高いため、人工関節や人工骨などにも利用されています。

マグネシウム

マグネシウムは、金属のなかでももっとも比重の高い金属材料です。

軽量かつ強度であることから、自動車のフレームやノートパソコン・デジカメなど、幅広い分野でニーズが高まっている素材のひとつです。

インコネル(ニッケル合金)

インコネルは、ニッケルに炭素・鉄・クロムなどを混ぜたニッケル合金です。耐熱性・耐食性に優れ、高温下で長期間耐える強度をもつため、高級車やF1レーシングカーなどのマフラー素材としても使われています。

ニッケル合金にはインコネル以外にも、「ハステロイ」「モネル」「インバー」「コンスタンタン」「ユーリカ」「アドバンス」など、さまざまな合金が商品化されています。

金属材料の「快削材」と「難削材」

金属材料には、加工効率を向上させた「快削材」や、強度が高いため切削しにくい「難削材」などの材料があります。

加工しやすい金属材料「快削材」とは

快削材は、硫黄・リンなどの添加物や熱処理によって切削しやすくした金属材料です。切削効率がよく工具の寿命も長くなるため、NC工作機械の自動加工にも向いています。

加工しづらい金属材料「難削材」とは

難削材は、「ステンレス鋼」「インコネル」「チタン」などの切削しにくい金属材料です。これらの金属は強度があり耐熱性も高いため、航空宇宙の部品などに多く使用されています。難削材の切削には、工作機械・ツール・工具材質の適切な選択がかかせません。
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