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分析・品質管理の自働化の動向⑤

全自動化

前記事までの概論を含めた各要素を連結し自動化すれば、自動化の完結。となる訳ですが、そう簡単ではありません。ここで重要な事は、各要素・処理を物理的に連結するだけでなく、大切に採取されたその時々の代表試料を迅速に搬出し適切に前処理して分析を行う全工程を確実に管理・運行する事であります。即ち管理・運行するとは、分析試料の適正な搬送、試料毎の前処理の最適な選択、またそれらの過程を履歴として全て残し、試料処理の身元を保存・管理する事にあります。
これにより、所謂トレーサビリティの確保が可能となります。トレーサビリティとは ”その製品がいつ、どこで、だれによって作られたのか” と言われています。大切に採取され送され、汚染がない又再現性の高い適切な前処理が行われ、その履歴が明確な試料が分析される。この事により分析データの信頼性が担保され、その分析データにより品質管理がなされる。“製品と分析結果の組づけ” これが一貫する事より、初めに述べた高品質の維持が可能となる訳であります。
また、仮に製品に不具合等が発生した場合でもそれに付けられた分析試料の試料経歴(トレーサビリィー)をもとにした明確な品質管理が可能となります。

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図4は世界最大級のある素材メーカーのサンプル搬送から分析までを管理しているPC画面です(サンプリング箇所約40)。試料が数十同時処理されています。また、これらの情報を保存する事により永久管理が可能となります。これは自動分析の大型の例ですが、ごく一部を利用して自動化している工場が一般的であります。ここまでの大型自動化の実現化には経済的・技術的ハードルはそれなりに高くはありますが、サンプリング箇所が数カ所の自動化の場合は経済的・技術的に容易であると考えます。

おわりに

分析・品質管理の自動化の動向との題目でありましたが、内容は多岐に渡るもので、本記事だけでは尽くせないものではあります。今回の記事では、その基本的な事をまとめました。これらを理解いただき、今後の分析自動化により更なる品質の向上を遂行頂けましたら幸いであります。


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