デザイナーが売るって難しくないですか?
こんにちは。
レタルというファッションブランドの代表のヒグチです。
レタルは只今ブランドリニューアル真っ最中!つまりお直ししています。
そのお直しの過程をお伝えするnoteマガジン『レタル、お直し中』は、毎月第二・第四火曜日にアップの予定です。
しかし…前回の『レタル、お直し中』、第二・第四火曜日にアップとお伝えしたのに、うっかり先走り第一火曜日にアップしてしまいました(笑)。
そして本日は0時を超えてしまいました…次は頑張ろう…(笑)!
今回は今までレタルを運営リニューアルしている中で、さまざまな課題を洗い出ししているのですが、その中で発見したことを。
私はレタルでは、自分でデザインし、パターンを制作をして、生産管理して…いると、宣伝までの体力がなくなっていることがよくあります。
また、ずーっと自分の商品のことを考えることが常態化しているせいか、商品に対する新鮮さがなくなるというか、この商品が一体どういう新規性があって、特殊なのか、だんだんぼやけてしまうのです。
もちろん伝えたいことがない訳じゃありません。
むしろ、たくさん想いはあるんです。
でも、自分の中でそれが当たり前になってしまっていて、いざお客様と対峙したときに大きな温度差が出来てしまうというのでしょうか?言葉にするのは難しいのですが、いざお客様に出会えているのに、魅力を伝えるのが難しいのです。
それに、自分が作ったものというのは自分の子どものように可愛いのですが、それを「可愛いんですよ」と言うのは憚れる気持ちが実はあるんです。
心の中では「うちの子が一番、可愛い、最高!」と思っても、変にへりくだってしまって「いや、そんなんでもないですよ…」って言ってしまう、みたいな。
愛情って難しいですね。
私は販売の仕事もしたりしてきて、売ることがわりと上手い方ではあるんですが、いざ自分の商品となるととんと売れない。
もっとマインドセットをしなければいけないんだ…自己肯定感が…などいろいろ悩んだ時期も長くあります。
でも、最近コルメキッサというお店に卸すようになってわかったんです。
もう自分で売るのやめよう!と。
店主のコルメさんとはプライベートでも仲良くさせていただいてるのですが、一度「自分の商品を上手く売れなくて」と相談したことがありました。
「作家さんで自分のものを売るのが苦手な人はたくさんいますよ」とコルメさんに言われたときに、自分だけじゃないんだ!の気持ちになりました。
コルメさんは売ることに関しては天才的な方なのですが、その売る力を傍目で見て「自分で売るよりも天才に任せよう」とこのときに思ったのです。
コルメさんの天才ぶりはどんなものかというと…。
実はコルメキッサというお店、月に営業してるのはほんの数日なんです。
毎月のようにコルメさんが企画展をしていますが、基本オープンはそのタイミングのみ。
お店も少し遠い場所なんです。
でも、そんな場所でも恐ろしいぐらいコルメさんは売ってしまいます(その内容を知り合い方はぜひコルメさんのブログを読んでみてください)。
それはコルメさんの企画力や目利き能力、お店の居心地の良さに魅力を感じるお客様がたくさんいるからなんだと思います。
単発で売るなら出来ても、継続的に売り続けるのは本当に難しいことだと思います。
それを時に身を削りながら行っているコルメさんを見ていると、企画や制作の業務にエネルギーの大半が持っていかれている自分が出来るものではないな、と思いました。
そんなタイミングでコルメさんから「お金はかかるかもしれないけど、不得手なことはアウトソーシングした方がいい」と言われました。
私の気持ちは楽になりました。
「今度リニューアルしたら自分が宣伝したり、販売することは極力少なくしよう」そう思いました。
商品との距離感が近過ぎて客観的に見えないんです。
想いを詰め込んでいるけど、それは言葉にならないから、だから服の形を作っている。
服の形をしたラブレターのようなものを作っていて、それを他人に売るというのは…それは恥ずかしいんですよ!!!
という訳でリニューアル以後は、コルメキッサさんみたいに信頼出来るお店で少しずつ卸せたらと思います。
ぜひ、たくさんの場所でたくさんの人たちにレタルの商品に出会ってもらえるよう、今後はアプローチしていくつもりです。