レタル展示会記録3:12使徒について。

2019年3月29日 09:30

展示会のタイトルがやっと決まった。

“The Stories of the Twelve Apostles:the First Part"

日本語に訳すと「12使徒物語前編」という意味になる。

今回はいろんなものが形になるのに随分と時間がかかる。

最初は『ネオ・クラシック』なんて付けていた。

でも、ネオ・クラシック…うーん、なんか即物的だな、って。

今回はシャツの名前も、いつもの即物的な名前じゃなくて、詩的なものにしようと思った。

私は趣味で詩作をすることもあるし、レタルは詩的だと言われることもある。

しかし、なんというか、私はいつも肝心なところで照れ臭くなって、素っ気ないフリをするかのように、即物的な名前を付けてしまったりする。

そういうのを一度脱ぎ捨ててみよう、というのが今回の展示会である。

いつもはアーカイブばかりだったり、新作も1点のみだったりするけど、今回は新作を中心に展示したいと思った。

いつもより型数多めで、まとまりある展示にしようと思ったときに、やはり全体をまとめ上げるコンセプトがいるな、と思った。

いつもはあんまり絵型を描かないけれど、今回は先にある程度絵型を出してから、パターンに向かった。

言い忘れたが、私の本業はパタンナーなので、絵型も描くけれど、それ以上にパターンを引いてしまった早い時があり、絵型は覚書程度か、展示のDMなどに使用するものをきちんと描くか、という感じだ。

あんまりデザインをたくさん出すのは苦手な方だけど、とりあえず気の向くままに描いていると、自分の心がクラシックなシルエットやディテールに現代的な素材や、スポーティな素材を使うところに向かっていた。

その意識自体がいまのファッショントレンドというところもあるのだが。

レタルはシャツという単品ブランドであるから、私は全体的にデザインするよりも、シャツ１点1点に集中するところがある。

1点1点にデザインコンセプトを詰め、詩的な名前を付けようとすると、どうしても「そのシャツを着る人」みたいなのがぼんやりと浮かんでくる。

デザインは追々アップするとして、『わたしは海を抱きしめていたい』『現代の羊飼い』『リアリストの晩餐』など名前を付けていると、人物像が浮かんできていった。

「ならばいっそのことストーリーを持たせてはどうだろう？」

クラシックなシャツのデザインを引っ張っているせいもあるし、そもそもシャツはヨーロッパのものなので、今回は非常にキリスト教的な匂いをなぜか自分の中に感じていた（私はキリスト教徒ではないが）。

もしかしたら、北王子教会の沼田牧師との出会いがあったからかもしれないが、ふっと「12使徒」が思い浮かんだ。

そのタイミングで今から12使徒分作るのは難しかったし、そもそも5～6着新作を出す予定だったので、今回は夏～秋向けの6型を出すことにした。

そして、12使徒について調べていった。

ストーリー性がある使徒もいればそうでないものもおり、まだ自分の中に掴み切れてないところもあるけど、今出してるデザインを12使徒の一人一人に当てはめる作業をした。

シャツの名前とそれぞれの使徒名

・わたしは海を抱きしめていたい/ペトロ
・現代の羊飼い/ヨハネ
・白い吐息/アンドレ
・リアリストの晩餐/フィリポ
・雨の音を聴いた/マタイ
・クールな反逆者/シモン

今日はここまでで留めておこうと思う。

先行で画像をアップした『わたしは海を抱きしめていたい』以外はどういったシャツかはわからないと思うが、それは追々アップするのと、どうぞ展示会で答え合わせを是非しにきて欲しいと思う。

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【白いシャツの店レタル新作展示会】

“The Stories of the Twelve Apostles:the First Part"
（12使徒物語:前編）

会期:5月23日（木）〜26日（日）
会場:西荻窪ギャラリーステラ
〒167-0042　東京都杉並区西荻北3-13-11-1F

5月23日 16時〜20時
24日・25日 11時〜20時
26日 11時〜18時30分

レタルの新作の白いシャツの展示会となります。

レタルのシャツ以外に参宮橋ピカレスクギャラリーからアート作品とアクセサリー、Miyako Gotoの帽子を一緒に展示販売します。

『いままでのシャツ』も注文可能です。

本展示会は受注生産となります。

お支払いはVISA/Master、代引き対応可能。

9年目に突入するレタルの新しい世界観をどうぞお楽しみにくださいませ。

白いシャツの店レタル
http://retar-amip.jp