ADHDとか。その8〜障害者手帳の取得〜
私は今障害者手帳3級を取得している。
今年初めての更新をした。
障害者手帳は、フリーランスを本格的に始めたときに、税的にも優遇されることだし、メリットも多いだろうと思い、取得に至った。
しかし、気持ちは複雑で、未だに障害者手帳を見る度に胸が締め付けられる。
頭では「わーい!税金安くなるぞー!」とドライに考えていても、自分の何が変わった訳でもないのに、ポンと国から烙印を押されてしまった気分になった。
手帳を貰った日は家で号泣した。
本当は生まれたときから、ずっとADHDだったのに。
そのせいでずっと人並みに出来ないと苦しんでいたり、人に迷惑をかけることを悩んだり、まわりから浮いていじめられたりもしていたはずなのに。
でも、自分はずっと普通なんだと思っていたし、努力をすれば普通に、人並みになれると思っていた。
ただ自分の症状に名前が付いただけだったけど、それでも、それが何かが一生叶わない、自分が何かが叶わない存在になってしまった気がした。
この先結婚も出来ない、出産も出来ない。
そんなことは、人並みに願えるものじゃないと思った。
中村一義の曲で『永遠なるもの』という曲がある。
「あぁ すべてが人並みに うまくいきますように」
私はその曲が昔から好きで、そのフレーズを聴く度に泣きそうになる。
普通になりたいとずっと思っていた。
みんな私に「才能がある」と言うけれど、そんなの一つも欲しくない。
普通に毎日ちゃんとゴミを出せて、お掃除して、決められた時間に寝て起きて、精神が安定して、その結果恋人とうまく付き合えて、結婚して、出産して、子どものために色々やって…。
それが欲しかった。
ポンと届いた緑色の手帳は、それを全て奪っていく気がした。
今でも、この文章を書くたびに泣いていて、簡単に発達障害なんて受け入れられてないことを知る。
普通になりたかった。
普通になれなかった自分と、じゃあどう生きようか、それがこれからの課題だ。
でも、手帳を取得していいことはたくさんある。
税金は優遇されるし、タクシーは1割引だし(遅刻しがちなADHDにはありがたい)、公立の美術館は付添人と共に無料で観られる。
みんなに迷惑をかけてる自分には、自分といるだけで公的控除を受けられるとなれば、ほんの少し気持ちが軽くなる。
でも、心の中に残るしこりはずっと私に囁き続ける。
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