ADHDとか。その3
カウンセラーの先生が「ヒグチさんは企画する仕事は向いてますし、道具を使ったり、人を使って仕事をすることで、効率を上げることは出来ると思います。」と言ってくれたので、そこから私は自分の意識を変えるようにした。
しかし、それはそれで苦労が多かったし、今も苦労している。
もともと自己肯定度が低い人間で、それはADHDが原因の部分もあると思うけど、「他人に頼る」ことが極端に苦手だった私は人を使う、というのがすごく苦手だった。
つい、自分でやればいいやと思ってしまうし(結果大失敗するんだけど)、他人に頼みごとをするだけで、申し訳なさで胃が痛くなりそうになる。
それは今でもまだまだあるけれども、こう障害とわかって、しかしどうにか生きていくしかないのだなぁと思うのだった。
そして仕事も、パタンナーから新しい方向に転換しなければいけないと思った。
1年1ヶ月続けたパターン会社を辞め、身も心もクタクタに疲れたので、ひさびさに実家に帰って休むことにした。
仕事を辞めて実家に帰るまでの間、バイトをしようと思い、給料もよく、時期も良かったクレジットカードの勧誘のバイトをした。
それまでクレジットカードなんてよくわからなかったし、興味もなかった。
なんの興味も、なんの思い入れもない仕事だった。
ただ、やれることをやっていただけだったけど、やたらと他の人より仕事の進度が早かったことを覚えている。
そして、実家に帰ってる間次も仕事して欲しいという電話があった。
求められることが仕事である、と思っている。
やりたいことが仕事なのではない。
そう思っていた自分にとって、クレジットカードの勧誘の仕事は、合っているんだと思った。
そしてびっくりするくらい努力や苦労なんてしなかった。
努力や苦労しなくても呼ばれる仕事は向いている仕事なんだと思った。
私はたまたま始めたバイトに新しい自分を見つけた。
今となればわかる。
ADHDの衝動性やハンターのような集中力はクレジットカードの勧誘によく適合した。
そして、クレジットカードの勧誘は、勧誘さえしっかり出来れば事務事のミスは大目に見てもらえのだ。
違う方向から光が見えた。
そして、それを機に私は様々な仕事に挑戦するのである。