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宝石の箱庭 2回目の参加

【宝石と対話する贅沢な時間】

月のサイクルでスケジュールを見直すという新発想手帳、ムーンプランナー。最近では東急◯ンズで購入できるほどメジャーな存在になってきたけど、実は中の人のひとりはジュエリーデザイナーのマリスティーヌさん。なので、手帳屋さんのはずが時おり宝石商に変身?して、百貨店のポップアップをされたりもしている。
そして、宝石商の活動の一環としてたまに行われるイベントが、この「宝石の箱庭」である。
都内のカフェなどで、少人数でひっそり行われる箱庭づくりは、ルースの宝石6個を選んで、コットンを敷いたルースケースを箱庭に見立てて配置していく、というもの。追加料金を払えば、個数を増やしたり、お高い石を加えてもOK。
身に付けるアクセサリーが出来上がるわけではなく、できた作品はその後ただただ美しさを愛でるだけ、ということになる。
アクセサリーを作るワークショップは多くあるけれど、個人的には、この箱庭イベント、「実用性ゼロのものを真剣に作り上げる」という部分がもうめちゃくちゃツボで、2時間ほど取り組んだあとは、本当に心がキレイに洗われたような気持ちになる。
昨秋に初めて参加して完全に心がロックオンしてしまい、今回は告知とともにほぼ脊髄反射的に参加を申し込むことに。
本日の会場は、東武東上線中板橋にある、知る人ぞ知るコーヒーの名店、1 Room Coffee。奥のスペースで、ひっそりと宝石のめくるめく世界が展開された。
私が前回参加したのは昨秋10月。あの時は、ハート型にカットされたムーンストーンに一目惚れして、これを中心に、月の光が降り注ぐさまをイメージしながら乳白色系半透明の石を選んで「月光の庭」を作ってみた。
2回目の今日は、なんと東京で初雪が。寒さもあってか、自然と、南国を思わせるような、パキッとした鮮やかな色の石に手が伸びた。ルビーもエメラルドもサファイアも、みんなお庭に入って来て!…出来上がったのは超ゴージャス、マハラジャの庭である。
箱庭づくりは、石を選ぶ時はみんなやや物欲のかたまりになりがち。しかし、何より素晴らしいのは、石チョイスのあと、ルースケースへのセッティングの時間である。モノによっては直径1ミリを切る小さな石を飛ばしてしまわないように、ミツロウでくっつけながらセットしていくのだが、裏表はもちろん、角度を変えるだけで石は表情を変える。セットしたいように座ってくれないケースももちろんある。選んだ石ひとつひとつとゆっくり向き合い、どうしてもNGならシャーレに戻して選び直すことになる。色も透明度も硬さも違うさまざまな鉱物と対話しながら、自分なりの絵柄を作り上げていく。別に何の実用性があるわけでもなく、ただただ楽しいからという理由だけで成立する、まさしく最高級のオトナの娯楽時間である。
さて、今日は箱庭イベントのあと、同じ会場で、ジュエリー相談会も。お祖母様の宝石を、「おもちゃかも」と持ち込まれる方もあり、古いジュエリーのこっくりした美しさに目を見張る場面もあった。そして、宝飾店でもなかなかお目にかかれないような、鑑定書つきのパパラチア非加熱サファイアのルースも大量に。
石に癒され、魅了された贅沢な午後だった。

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