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ハーブ辞典【タイム】



thyme
学名:Thymus vulgaris
和名:タチジャコウソウ
原産地:地中海沿岸、ヨーロッパ南部
使用部位:葉、花
シソ科 常緑低木 
語源のいわれ:1、thymos(現クレタ島に生育するタイム。
       2,thyein(煙を起こす、香らせる)薫香として使われた
       3,勇気を意味するthmos
       vulgaris=俗の、普通の  

馴染みのあるハーブの一つタイム。
古代ギリシャ時代には、”タイムの香りがする”ということはその人を称え、勇気のある人だという意味で、最高の誉め言葉だったそうです。

タイムはギリシャ語で勇気を意味する言葉であり、花言葉は、勇気だけではなく、品位、優雅などの象徴でもあったからです。

その時代の貴族たちは入浴後にタイムの香りを身体にすりこんだり、枝を身に着けたといわれています。

疫病が流行した際には、タイムの小枝を燃やし、香りを漂わせ、感染を防いだといいます。効能高いタイムですが、当時、病気は悪魔の仕業と考えられていたため、タイムは悪魔に立ち向かう勇気の象徴ともされました。

タイムは、古代から様々なエピソードや逸話があるくらい、身近で効能高いハーブだったのがわかります。

タイムの代表的な成分はチモール・カルバクロールというもので、
ハーブの中でも飛びぬけて、殺菌、抗菌、抗ウイルスが高く、人間には作り出せないほどだそう。

この成分は、ハーブティーにして立ち上る香りを吸入しただけでも器官や肺にもいいそうです。フラボノイド類が、咳を穏やかに鎮め、サポニンが去痰にも良いとされます。

古代エジプト時代のミイラつくりにも利用されたということもわかっています。

他にも、血行や神経も軽く刺激するので、血行促進、脳細胞のや神経の活性化、気持ちが落ち込んでるときや集中力を高めたいときにも良いとされます。


タイムを合わせたタイムづくしプレート


そして、料理にも取り入れやすいハーブの一つです。
昔は、香りづけはもちろん、保存剤として、お肉やソーセージにつかわれていました。ローマ人は、チーズやリキュールにも使用し、魚介、野菜、デザート、幅広いものに使っていただけます。

ブーケガルニ

フランス料理でも、煮込み料理に使う、ブーケガルニ、花束の添え物、飾りという意味を持ち、花束の見た目と主役の食材を引き立てるという意味からだそう。基本的には、フレッシュのローリエ、タイム、パセリ、セロリ。地域によってハーブの種類が変わることもある。

お肉やマッシュルーム系の重みのある味にはたっぷりのタイムを使用すると、素材やタイムの味や香りが生かせますし、魚介や野菜の優しい味には、タイムをアクセント程度にきかせたり、オイルに付け込んだり、使い方によって全然違った風味が楽しめます。
そして、甘いものにも。パンや焼き菓子、ハーブティー、ドリンクにもおすすめです。

そして、摘みたてのタイムの香りは何とも言えない力強いかおりと甘みがあり、一度使用すると、スーパーのタイムは手に取れません。

是非、摘みたてのタイムも楽しんでいただけると嬉しいです。

タイムは細かく分けると、300種以上の品種があるとされ、
元々は、地中海原産ではありますが、世界各地に分布しています。

メディカルや料理に使われるものは、コモンタイムです。(別名はイングリシュタイム、ガーデンタイム)
春から初夏にかけて花が咲き、枝先に短い花穂を付けます。コモンタイムは白ですが、品種によってはピンク、赤、など様々。タイムは交配しにくいこともあり、いろんな品種を混ぜて植え込みつくるタイムのカーペットも憧れではありますが、日本の湿度では難しいかもしれません。

タイムの原産地は、地中海沿岸。一年を通して気候が安定していて、雨も少ないので、乾燥しています。海が近いので、砂利のような水はけのよい土に自生しています。

ですので、日本で育てる際には、土の水はけや日当たり、風通しのいい場所に育ててあげる必要があります。ハーブの土や普通の土や畑であれば、
パーライトや軽石などを混ぜてあげるとよいです。

環境があえば、低木、木なので毎年育ってくれますよ。

梅雨時期から~夏は、タイム自体の風通しを良くするために
タイムの間をすき込むこともポイントです。
根本でバッサリ切ってしまうと、時期によっては枯れてしまうこともあるので、切りすぎも注意が必要です。


レモンタイム



そして、個人的にも好きなレモンの香りのするレモンタイム。
先日の教室では、カスタードにレモンタイムの香りをうつして煮りんごと合わせました。

レモンの風味が合うようなものであれば何でもあうので、
白身魚にオリーブオイルと塩にレモンタイムを散らして、カルパッチョに。
サラダに少し混ぜたり、ポテトサラダ、クリームチーズやバターに混ぜたり、夏のピザつくりの際には、トマトソースピザと一緒に、4種のチーズ・巨峰、はちみつと一緒にレモンタイムを仕上げにのせて食べた組み合わせもお気に入りです。

ゴールデンレモンタイムとフェンネルシードをのせて

地中海では、魚介に合わせるのが定番ですし、お肉屋スープ、シチューの香り付けに。ケイジャン料理やカリブ料理、中東でも欠かせないハーブ。
古代人は、チーズやリキュール、お肉が傷まないようにしようしたとか。
今でも。ソーセージやサラミにも使用されています。

最近では、糖尿病予防やがん予防にもいいとされています。

また今度はタイムを使ったレシピをご紹介しましょう。

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