戦国時空流転ボンボ
「フンヌゴハーーーーッ!」
裂帛の気合とともに石斧が足軽の頭蓋骨を砕く!
「ネアンデルタール!クロマニヨン!ペキンゲンジンフーアーユー!」
地面に倒れこんだ足軽に追撃の3連石斧アタックだ! 死亡!
「ウンバホーーーーーーッ!!」
勝利の雄たけびを上げながらも男は困惑していた。
集落で昼寝をしていたはずだったが、目が覚めたとき周囲はまるで戦国時代の合戦場。通りかかった足軽が何かを叫びながら襲い掛かってきたのである。
彼の名はボンボ。
集落一の怪力で知恵者。
なんとかテリウムやなんとかドンとかも全く恐れない真の勇者だ。
石器作りも上手い。
筋骨隆々の体躯を覆うのは革製の腰巻のみ。
その手に携えた石斧には使い込まれたことを示す血痕がところどころに残っている。
ボンボは倒した足軽の身元を改める。
その陣笠にあったのは桔梗紋...
「これは...まさか明智の手の者か!」
次の瞬間、未明の空が突如朱に染まる。
高台に移動したボンボが目にしたのは業火に包まれた寺だ!
「ここは...まさか本能寺か!」
ガササササッ!
突如藪から現れたのは甲冑姿の侍!その数3名!
ボンボの顔を見るとはっとした表情を浮かべ、直後斬りかかる!
「秀吉!覚悟ぉーッ!」
しかし16世紀の軟弱な人間など完全武装していようがボンボの敵ではない!
「フンガーッ!」
なんとかザウルスをも一撃で屠る石斧アタック!
侍Aが顔面陥没!死亡!
「フンガガーッ!」
女を寝取った隣村のバボボを一撃で屠った石斧アタック!
侍Bの腹部貫通!死亡!
「フンガガガーッ!」
仲裁に入った隣村の長老を一撃で屠った石斧アタック!
侍Cのアバラ粉砕!生存!
強靭なるネアンデルタール人は口元に笑みを浮かべながら燃える本能寺を見つめる。
「クハハハハ!世界よ!この俺に天下人になれと申すか!面白い!」
燃える空に石斧を掲げ、ボンボは吠えた。
【続く】