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【すぷうんおばちゃんの読書感想文】子どもに金銭感覚をつける絵本(第2回目)

[日本編]

お正月明けのテレビインタビュー。小学生に「おじいちゃんおばあちゃんからお年玉いくらもらった?」と聞いていました。その答えは「振込だからわからない」でした。日経新聞で、デンマークの子どものお小遣いにも「現金なし」の波が!という記事が出ていました。
現金に直接触れる機会すら少なくなった子ども達の金銭感覚、いったいどう養っていけばよいのでしょう?元小学校教諭のすぷうんおばちゃんは心配しています。

第2回目のコラムでは、「子どもに金銭感覚をつける絵本」はないかと、年末年始に探してみた絵本のなかで日本作家の絵本をご紹介します。

(1)「もりにいちばができる」

お金の役割がわかりやすくて、幼児、1,2年生におすすめだと思いました。
このころの子どもは、自分のものと人のものの区別がつきはじめ、あげたりもらったりする経験をし始めます。自分の持っている物を渡すと相手に喜んでもらえて、それがうれしいという素直な心が描かれていて、きっと、子どもも共感するのだろうと思いました。
小学校の科目に「生活科」ができ、どう指導していこうかと模索しているとき、「秋のお店やさん」から「冬のお店屋さん」へと一年生に長期の活動を組んだ時のことを思い出しました。
はじめは、来てくれた隣の組の子に、どんぐりやまつぼっくりなどで自分の作ったものをあげたり、自作ゲームをやらせてあげたりして一緒に喜んでいました。次の時にはお店屋さんとお客さんが交代しました。そのうちにお金と称するただの紙を切って渡して買いに来てもらうようになっていきました。自分のお店に来てもらえるように、お店の工夫も始まりました。
おままごとのお店屋さんごっこをして遊ぶ中で、経済活動の基本の中の基本的な感覚は養われていくのですね。キッザニアへわざわざ行かなくとも。

(2)ありがとうのおかね

仕事に対するお礼の気持ちとして、お金をありがとうの気持ちと共に渡すことが書かれていました。お金に対するポジティブな印象が生まれます。
早く大人になってみんなに「ありがとう」を沢山言ってもらえるような仕事がしたい。ただ、そうなるとお手伝いをしたゾウ君にも労働の対価としてありがとうのお金が渡らないと・・・違和感が残るのは私が大人だからでしょうか?
前半部分だけ読んで、「みんなはどんなお仕事をする人になりたいかな?」で終わってもいいかな・・・と思います。

(3)お金くんのおうちはどこ?

お金の価値がわかった人のための絵本でしょうか?
実際に筆者が経験したことを絵本にしたそうです。お金の集まるところがどんなところかが書かれています。

(4)おかねのきもち

筆者の考え方・・金銭感覚は学校や他の人から教えを受ける前に親が躾として教えるべき・・ということに共感しますし、お金の大切さ、本当の意味でのお金の使い方を伝えるという意味ではとても分かりやすい絵本だと思います。
ただ、私は、お金を擬人化することには多少抵抗があるのですが。

(5)ひゃっくん

温かみのある絵で、低学年が読むのにいいかなと思います。
お金を大切に使うこと。
労働の対価がお金であること。
お金があるとその大きさに見合った好きなものが買えること。
お金は人から人へ渡っていくこと。
盗んだお金は身につかないこと。
などが、旅する百円玉とゆうたろうとの友情話の中に織り込まれています。大人の経済活動の一部分が自然に描かれていて、日本らしいお金の話の伝え方だと思います。現在、公教育でできるのは、このくらいまでが限度かな。

第3回目は、「外国の絵本」で「子どもに金銭感覚をつける絵本」を紹介していこうと思います。(全3回コラム)

【すぷうんおばちゃんの読書感想文】すぷうんおばちゃん。静岡県藤枝市在住。子どもの輝く笑顔のために、パパ・ママ・先生を応援します!正しい鉛筆の持ち方の基礎となる「3点持ち」、それを「三角スプーン」をつかって広めています。当コラムでは、子どもに金銭感覚をどうやってつければいいか、慣れ親しんでいる絵本にヒントがないか探してみました。 WEB:http://spoonobatyan.shop-pro.jp/ ブログ:http://spoon0505.blog.fc2.com/ 紹介ページ:http://fujieda-eg.jp/customers-interview/spoon-obachan/

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