2019年 京大理系数学

こんどは京大です。

1(1)cosθと有理数、無理数の関係です。京大受験者なら難しくないでしょう。加法定理で、cos3θをcosθとcos2θの多項式で表現するとだいぶみえてきます。

無理数は否定命題で定義されます、原則有理数であることを仮定して矛盾を導くという手段を取ります。

もうひとつ、否定命題は「互いに素」な整数、最小公倍数を設定して、それが2以上では矛盾であるという手順を踏みます。

かつて論証の京大と言われた本学ですので、京大受験生なら、というのはそういう意味です。

1(2)まあ、どこかでやった積分でしょう、きちんと取りたいですね。

ここ数年京大数学の難易度は抑えめだと感じています。難しくすると中高一貫校の学生に有理になるので、公立校が合格できるように難易度を程々にしてる説、なんかもあるようなのですが、どうでしょうね。

そんなわけで2も難易度は抑えめですね。素数の偶数は2しかないという条件が強力すぎます。絶対値なので、2になるnをきちんと数え上げてください、という問題です。

ただ、3,4は難しめです。

3は立式までは難しくないのですが、その後の式変形が煩雑です。

反面4はわりとドツボにハマりやすい問題、シンプルそうなのですが。僕は今年のセットの中で一番難しいと感じました。

ここ何年も、京大で確率漸化式の問題が出題されていて、難易度も高くないものだったのですが、今年は漸化式で解けなくもないがという問題で、難易度も高めです。

反面東大はここ2年それまでほぼ出題されていた確率の問題が出題されていません。

京大と同様、難易の変動が大きくない分野なので、対策は立てやすいのですが。

そして、5,6はまた難易度抑えめです。

5は底辺の形が決まっているので、正方形の1辺の長さを変数にすれば一意に5面体の体積が決まるので、そこで増減を立てればいいだけです。計算も煩雑ではありません。

6は複素数が出てきますが、虚部が消えるので、累乗を対数表に則って計算するだけです。

そんなこんなで、難易度は高くない、反面高得点を要求されそうな京大数学でした。3,4以外は取りたい。

3の立式までか、4の概要把握をして、時間があまりそうなら得意な方を取っていく、という形になるのではないでしょうか。

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