理系か文系かを悩んだ時に思ったことはMASTERキートンと小熊英二

理系か文系か、高校生のときにどちらかを選ぶことが多いようです。

僕も迷いました。なぜかというと、数学苦手、現代文得意、でも生物系に進みたいということで、比較的ラクな道(文系)は自分の好きなことができないが、自分の好きなことをしたいとなると茨の道を歩まねばならないということだからです。

その時に浮かんだことが2つありました。

ちょうどその時読んでいた小熊英二さんの本の著者略歴に、農学部卒業、出版社勤務の後文系の大学院に入り直したというのをみて、文系→理系に比べて、理系→文系は比較的楽そうだなと思ったのが1つ。

もう1つは浦沢直樹さんの漫画、MASTERキートンの終盤、東京の大学の歴史学の教授に、自身の論考を手渡した主人公、その時に教授が返した言葉は「この論文、私の名前で出してみないかね」

文系の学問は国内て閉じていることが多いから、そういう権威主義がはびこるのかなと子供心に思ったのです。

確かにネイチャー、サイエンスに載ってしまえば、人脈とか権威によらず教官のポストが大いに近づく理系の方がフェアなのかもしれません。

まあ、でもこういうゴーストライター問題は文理問わずあるようですね。

この2つを根拠にして、どうせ一度しかない人生だからと理系を選び、数学が苦手ながらも理系の学部に進んだというのが、僕の17歳(高2だったはず)の決断です。

それからそれなりの年月を経て、理系で良かったかと訊かれれば、まあ良かったんじゃないかと思います。例えば、経済でも金融でも今流行のAIでも、大学教養レベルの数学がわかっているとだいぶとっつきやすいとか、数式が出てきてもなんとか読み解けるとか。

まあ、文系の学部を出ていないので、理系と文系、どっちがいいかはわかりません。

哲学の込み入った議論についていけるとか、ある部分の歴史に異様に詳しいとか、そういう人生も楽しかったのかな、とも、少しだけ思います。


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