小説 怨ませて下さい。第五十五話

前回の振り返り 父親が拾ってきた鞄を開けてみる。中にあったノートに、例の本のタイトルが書かれていることを発見する。

彼女は、ノートを置き、その横に置いてあった黒い表紙の本を裏返してみた。そこには、地縛霊になる方法というタイトルが書かれていた。

彼女は、店主が言っていたことを思い出しながら、その本を手に取った。
「これを触ると地縛霊が見えるんだっけ?」

彼女は、その本を持ちながら、弟の部屋の中を見回した。彼女が、その本を探していた理由は、弟の地縛霊を探すことだった。彼女はゆっくり恐る恐る周りを見たが、そこは、変わらず、弟の部屋で、そこにいるのは彼女だけだった。

その時、突然、ドアがノックされた。彼女は、ビクッとして、本をベッドに置いた。ドアは、ゆっくりと開き、彼女の父親が、そこから顔を出した。

「カバンに何か持ち主のわかるものは入っていたか?」と父親は聞いた。
彼女は、「ノートや本が入っているけど、まだ誰のか…」と答えた。

「携帯に充電してみたら、どうだろう?ロックがかかっているかもしれないけど、落とし主から連絡が入っているかもしれないぞ。そういう機能も、最近の携帯にはあるから。」と父親は言った。

彼女は、以前、彼女自身が携帯を無くした時のことを思い出していた。確かに、その時も携帯に拾った方は連絡くださいというメッセージを送っていて、それに気がついた人から連絡があった。

彼女は携帯に充電のケーブルをさした。

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