小説 第一回 AI Selection (14) ヨドカメ
2039年6月国会にて
議長 「国土交通省大臣」
大臣 「いま、ご質問のありました、何ですか、ヨドカメ」
野次「それは、ヨドバシカメラだ」
大臣「もとい、Yomi Gamiの地震アラートですが、みなさんご存知の通り、再三今までも、何度も誤動作を起こして、発生しない地震のアラートを出していることを鑑みても、今回のアラートが真実とは、到底、思えません。仮に真実だとしても、今まで地震については、その危険性を認識し、十分に対策をしてきているわけです。規模が違うと言っても、我々は、何度も大規模な地震を経験し、そこから多くを学んでおります。予想では、来年の夏となっておりますが、今から、それを国民に知らしめたところで、混乱を招くばかりです。
国会の場にその質問を持ち出すのもどうかと思います。
言いました通り、今まで十分対策しており、仮に地震の確率が確実なレベルに上がったとしても、国民に伝えるのは、今年の冬で十分間に合います。
各企業には春の人事において、そのあたりの考慮、例えば、春に長めのお休みを入れて、各人で避難してもらうとか、そう言うので間に合うとの認識です。
もちろんそれまでに避難所を含めて、備えは十分であるかの点検は例年通り行ってまいります。
この日本が地図上からなくなるなんてあり得ない。そんなことが起きたら、世界がひっくり返ります。この神の国、神に守られた国日本が、そんな簡単に自然災害で壊滅的な、地図からなくなるようなことは起こりえません。ナンセンスとしか言いようがありません。」