小説 第一回AI Selection (41)武田朋美

武田は、高台に向かう途中に知り合った夫婦と一緒に彼らの家に向かった。

彼らが武田の話を聞いて、行く場所のないという彼女を心配し、家に招いてくれた。

その家は、車で数時間走った山間の町にあった。もともと雑貨屋を営んでいたと言う夫婦の家は、それなりの広さがあった。

「私は、ここの生まれて、代々この土地に住んでいました。雑貨屋も父親の代からやっていたんだけど、子供たちも家を出たから、数年前にやめました。」と旦那さんが言った。

「子供は、3人いて、長男がツナミで。」と奥さんが言った。

「他のお子様は?」と武田が尋ねた。

「1人は海外に住んでいて、もう1人は、東京で看護師をしているから、震災の後は、病院で。」と奥さんが言った。

「東京の方は、震災、大丈夫だったなですか?」と武田が聞いた。

「東京と言っても、郊外だったので、家族とも無事だったみたい。」と奥さんが言った。

「Yomi Toで、手紙が来たんだ。震災が起きてから数日して。」と旦那さんが言った。

武田は目を落とした。奥さんが「どうされました?」と聞いた。

「以前、使っていた携帯は津波で流されました。新しいのは政府から支給されたんだけど、そちらには手紙が、まだ届きません。」と言った。

「ここの避難所に行けば、みんなが使えるパソコンがありますよ。それで銀河に入れば、YomiToに届いていない手紙が見られるかも知れませんよ。」と旦那さんが言った。

「そこは、ここから歩いて行けますか?私が行っても使わせてもらえますか?」と武田が聞いた。

「歩くと大変だから、車で送るけど、今日は遅いから明日の朝イチでいちましょう。確認はできると思います。」と旦那さんが言った。

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