小説 第一回AI Selection (27) 大地絹子
大地は、父親の友人の代議士に連絡を取り、選挙に出たいことを告げた。父は教育業界に知人も多く、地盤もあったし、大地自身教え子の多くがボランティアで、選挙の応援をしてくれたこともあり、初選挙で、参議院に当選した。所属は、応援してくれだ代議士が所属していたところで、党としては、中堅というところだった。
大地は、子供たちそれぞれにあった教育と教育費の低減と教師の業務改善を訴えた。それを実現するためにより一層のIT化とAIの導入も掲げた。
当選後、大地は、AI業界で、新しい試みに挑戦していた百々野津誠にコンタクトをした。
彼はその時、Yomi Gamiプロジェクトのリーダーをしていた。彼の作った自立型AIロボットは、個々の生徒の個性を伸ばし、より能力を向上させるために大いに活用できると大地は思った。
彼女は、より安価で作れる学習に特化したAIロボットを百々野津誠に依頼した。彼は、Yomi Gamiプロジェクトで、時間が取れなかったので、その作成を息子のまりおに任せた。
まりおは、大地とコンタクトをとり、一緒にロボットの作成を行なった。
百々野津家と大地は、それ以降、親密な付き合いとなった。大地は、百々野津誠に好意を持つようになった。
百々野津誠がアルツハイマーにより若くして一線を退いた後も、彼の生活を支え続けた。