小数決の時代?
古代ギリシアの時代から、何かを決める時には多数派が決定権を持っていた。民主主義も、またそのルールの上に成立し、選挙で多くの票を取った立候補者が当選し、当選者を多く持つ党が、与党となる。
しかし世の中的には多数決ではなく、少数決に感じることが増えてきている。言い換えれば、マイノリティの復権。多様性という言葉で、大多数だけでなく、少数派の主張もまた重視し、時にはマイノリティの求めるものが大多数の求めるものよりも優先される。
多数決とは、ある意味では妥協の結果であるとも言える。数で負けたものは、自分と同じ考えを持つ人数よりも、別の意見を持つ人数の方が多いことを理由に、自分の考えを変化させ、妥協し、大多数の方に合わせていく。
では少数決とは?
多数決の場合、多くの人が少しでもメリットを得られる方向に、つまり利益を得る、もしくは、損をしない方に傾く。つまり損得がベースにあると思う。
少数決は、損得ではなく感情に訴えることが多い。つまり最大の不利益を被る少数に対し、感情的にシンパシーを感じ、その辛さ、悲しさに対し、感情的に反応する。場合によっては、自分の損得よりも、一番辛い思いをする人たちが救われる案を選択する。
その場合、大多数の意見ではなく、少数の求める結果が優先される。
良い悪いというのではなく、それを許容する時代になったと感じる今日この頃です。