小説 第一回AI Selection (19) とどのつまりお
百々野津まりおは、パソコンのモニターを見ていた。壁一面に、縦三列、横四列の12枚の100インチのモニター壁一面に貼られていた。
映っているのは、チャートだったり、各所の映像だったり。人気のアニメだったり。そして真ん中に擬人化されたYomi Gamiが映っていた。
まりお「あのさー。この人なんだけどさ。大丈夫なの?」
まりおは、左下の画面に映ったアバターを見て言った。
まりお「土木関係の人?独身の人だから、まー、家族の心配はないだろうけど、あんまり大臣とか興味なさそう。」
Yomi Gami 「ワタシノ ケイサンデハ、被災地ノ ダイキボナ インフラ フッコウニ ソノカタガ コウアンシタ ホウホウガ サイテキデアリ ニバンメノ コウホヲ ダイジンニシタバアイニクラベ 263パーセントノ コウリツ化ガ ミトメラレマス」
まりお「擬人化は、あまり良くないか?喋り方が変だし。」
Yomi Gami「分析内容は変わりません。」
まりお「どちらにしてと、選ばれた人には選択権はないんだよね。」
Yomi Gami「ソレガ政府トシテキメルコトデス」
まりお「決めることじゃなくて決まったことね。政府と言っても、今の段階だとお前と僕だけ、と言うか。まだ僕は首相になってないから、実質、お前の独断じゃん。」
Yomi Gami 「ヨクワカリマセン」
まりお「そんな誤魔化しまで出来るようになれば、立派な政治家、いや政治家ロボだね。そのうち、記憶にございませんって言い始めるんだろうけど」
Yomi Gami「キロクサレテイナイコトハ、ジシツデハアリマセン。」
まりお「はいはい。でもどうしても嫌という人は?」
Yomi Gami「Yomi Toにより、全ての行政サービスが停止され、シン・ニッポンノシミンケンガ剥奪サレマス」
まりお「それだけなんだ。」
Yomi Gami「銀河デノコウドウモセイゲンシマス」
まりお「まあいいか。とりあえず、他の候補も含めて、打診してみて。」
Yomi Gami「ウケタマリ」
まりお「日本語がおかしくない?まあいいか。」