レズビアンのわたしの就職活動
今日はわたしの就職活動について振り返ってみようと思います。事前に注意書きですが、今から書く内容はあくまで「まり(私自身)」の経験でありすべてのレズビアンには当てはまらないこと、そして就活中のわたしは男の人と付き合う未来を想像したことがなかったので自分のことを「レズビアン」としています。
わたしは現在新卒4年目の正社員として東京で働いています。ちなみに文系大学出身です。会社は情報通信系の大手企業の子会社で、そこで総合職として働いています。入社から4年間で転勤は2回しました。飛行機を使うような距離感の転勤です。
なぜわたしは大手企業の総合職を選んだのか。
それはお給料の額や受けられる福利厚生が中小企業や一般職の比ではなかったからです。
わたしは当時、4歳年上の女性と付き合っていました。彼女は派遣社員として東京で働いていて、ひとり暮らしをしていました。
大学3年生のわたしはなんとなく就活を意識していた頃ですが、将来的に彼女といっしょになりたいとも思っていました。
なので、レズビアンのわたしが彼女といっしょに暮らす未来を実現できるような企業を探そうと考えました。
彼女と生涯を添い遂げるにはどうしたらいいのか。
思い浮かんだことはみっつ。
①住居とお金の確保
②レズビアンでも将来的に福利厚生を受けられる制度
③派遣社員の彼女を支えるために、安定した正社員になること
③に関しては彼女が派遣社員じゃなかったとしても思ってたかな?とにかく、彼女が怪我や病気、不況とかの影響で働けなくなったとしてもわたしが支えられるようにと思っていました。(いまも彼に対してそう思っています。)
それを実現するためには今の世の中では大手企業が一番良いと思ったから、わたしは大手企業に入社しました。あと、総合職じゃないと男の人と同じように働けないと思ったから。これはわたしの女性であることのコンプレックスを克服するためなので、別の機会に。
そんなこんなで選んだ弊社はひとり暮らしですが家賃を10万円ちょっと負担してくれていますし、福利厚生が良いイメージがある企業に必ず名前が出てくるような会社です。あと、CSRやダイバーシティにも非常に力を入れているので「LGBT」がテーマで、全社員が受ける勉強会があったりします。
ダイバーシティ研修のときは必ず、あなたの身近にも当事者がいるかもしれないけど、それを無闇に暴いたりせず、でも、その人も職場の仲間だから傷つけるような発言はしないでいましょうねというスタンスを事前に説明されます。
そのとおりだとわたしは思っています。
パートナーシップ制度を用いて「結婚」に近い状態になったときには結婚休暇ももらえますし、社宅に同性のパートナーが入ることも可能です。
やはり大手企業は社会の流れに敏感で、対応もしっかりしているなぁと弊社ながら思ったり。(そうじゃないところもあるだろうけど)
まだそういう制度を利用している人は社内では見かけませんが、いつか当たり前に使えるようになってほしいなぁと思います。社内では男性の育休が取りやすくなってきているので、少しずつ変わっていくのかな、と。
でも、就活中にこういったLGBTにまつわるエピソードを採用担当に聞くのって勇気が必要ですよね。質問する=カミングアウト、みたいな。あってはならないことだけどセクシュアルマイノリティだから不採用になったら嫌だしね。
ナビサイトはこういうことを募集要綱に盛り込んでくれたらいいのにと思うのですが、制度がある会社もそれを使う人も少数派だからそういうシステムにならないのかなぁと思ったり。
わたしも実際、質問は出来ませんでした。入社後の研修で初めて制度があることを知りました。こういう会社に入社できて、本当に運が良かったなぁと思います。
でも運だけで自分のこれからの人生にかかわる項目を左右されるなんておかしいことですよね。福利厚生自体がなんとなく就活の場では聞いちゃいけない、みたいな雰囲気ですけど、制度はすなわち働き方に直結するのだから、絶対に聞いておかなければならないはずです。就活、おかしいよね。
また、そんな感じのわたしの就職活動と入社した企業ですが、入社後、これだけ制度が整っていてもやっぱり恋愛の話になる度にカミングアウトは難しかったですし、今も誰にもしていません。なんとなく隠し事をしているようで居心地が悪いときもありました。
人生の多くの時間を会社で過ごすのだから、会社でも自分らしくいられたほうが生産性も上がるんじゃないかなぁと単純に思うのですが、なかなか難しいですよね。こうやって声を上げることで社会が少しずつ変わっていけばいいなぁと思います。
話が逸れましたが。
就活生の方には結局運で片付けてしまったので参考にならない記事だったかと思います。でも、日本にもこういう制度が整った企業がちゃんとあるので、あまり悲観的にならないでほしいと思っています。LGBTを受け入れてくれない企業もあるし、いないものだと扱う企業ももちろんあるけれど、きちんと制度で保護してくれる企業もある。真剣に考えて制度を作っている企業もある。
わたしたちは恥じることなく生きていていい。そんなことを伝えたくて書いてみました。
あなたらしく輝ける場所で働けますように。
追記。LGBTを支援できる会社に、転職も視野に入れて興味を持っています。どんなところがあるのでしょう。どうやって調べていいか分からず四苦八苦です。
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