短い時間で速く絵を描く方法
絵師コミュニティを見ていると、プロアマ問わず多い願望に「速く絵を描きたい(作画時間を減らしたい)」というものがあります。
デジタルイラストは、見かけ以上に作画時間が長いのです。
経験上、一枚絵であれば、10時間以上かかるのはザラです。
誰もが作画時間を縮めたいと思うのは当然だといえます。
結論から言うと、誰でも簡単に速く絵を描く方法があります。
それは「イラストのクオリティを落とすこと」です。
というか、これ以外にありません。
その根拠を説明します。
まず、イラストのクオリティと作画時間の関係を単純化してみましょう。
すると、以下の通りになります。
画力×時間=クオリティ
これは不変の法則です。
どんな人でも時間をかければかけるほど、イラストはよくなります。
とくに、デジタルイラストはアンドゥ(一手戻る)があり、無限に描き直せるためにこの傾向が顕著です。
(厳密に言えば、時間にはカウントストップがあります。そうでなければ、時間をかけつづければ、誰でもプロのような絵を描けることになってしまいますからね。)
このとき、画力が高ければ高いほどかけた時間に対して得られるクオリティの値は大きくなります。
しかし、画力はその場で上げ下げできるものではありません。
つまり、速くイラストを完成させるためには、クオリティを落とすしかないのです。
ここで強調しておきたいのは、画力の向上と作画時間の短縮は数理的には同じだという点です。
なぜなら、画力が上がれば、同じクオリティのイラストを仕上げる時間は短縮できるからです。
多くの人は「作画時間を短縮したい」と思いながらも、「クオリティを落としたくない」と考えています。
むしろ作画時間短縮よりクオリティを優先するために、画力が上がっても作画時間は短縮しない、という結果に陥ります。
ここに問題の解決不可能性があります。
では、どうすればいいのでしょうか?
まずは、時間を気にせず満足のいくクオリティを出力できるようになる必要があります。
その時点でクオリティの追及に見切りをつけ、クオリティの上昇を作画速度の短縮に等価交換していけばよいのです。
しかし、以前に画力考察 ~神絵師になる方法~|ArakiShot (note.com)で述べたように「神クラス」の絵師になるためには数万時間の作画時間が必要です。
生涯かけても満足のいくクオリティに到達できる人はほとんどいないでしょう。
したがって、クオリティを犠牲にする苦渋の決断ができなければ、作画時間を短縮するのは不可能であって考えるだけ無駄、というのが現実だといえます。