ペイント大全ショウケース:トロール パート8(ぬかるんだ地面、沼の水、水際の湿り表現)
よくぞ来た。前回のショウケースで、トロール本体が仕上がった。今回はいよいよ地面に取りかかる。
一連のショウケースが始まる前に、『マスターズ:ベーシスト列伝(水のある風景をつくる)』を発表してある。アンダーコート前のトロールをベースに配し、水辺の情景をサンドやストーンで表現したやつだ。未読の人は読み直してくれ。
今回は、デコレートした地面や水面をペイントするだけでなく、前回ショウケースで作った『つけま草』やターフ、ライケンなどを活用して、様々な植物も生やしていくよ。それじゃあ、行ってみよう!
地面のベースコート(ガイドコートとフラットペイント)
ショウケースのパート2で紹介したガイドコートを覚えているかい? ガイドコートとは、アンダーコートの上からいきなりやるステイニング(染め塗り)のことだ。フラットペイントとの違いは、その仕上がり。ステイニングだから、全体を染めながら陰影も入る。凹部に濃く、凸部に薄くカラーが載るからだ。今回俺は、地面を普段のフラットペイントではなく、薄めたカラーで全体をステイニングした。
肌の時は、各部の凹凸やディティールを浮き立たせるためにガイドコートをしたけど、今回は別の意図がある。サンドをまいた場所は、入り組んだ凹凸の連続だ。ダブルアンダーコートをした時、トロールをかなり白っぽくした都合で、地面もかなり明るくなっている。通常のフラットペイントだと、奥まった部分までカラーが入り込みにくく、凹部に明るいグレイが残りやすい。そこでまずガイドコートをして、凹部にちゃんと色を差し入れることが今回の目的だ。
使うのは赤みの豊かな焦げ茶色、216【アフリカンフレッシュ】。上写真右のようにボタリとカラーを載せ、筆先でグイグイ塗り広げていく。大切なのは、凹部にちゃんとカラーが入り込むこと。凸部は今どうでもいい。
凹部にカラーが入ったらいったん乾かし、同じくアフリカンフレッシュでフラットペイント。いつものフラットペイント同様、カラーは水で少し伸ばすくらいでいい。通常カラーは塗り重ねても本来の色より暗くなることはないから、結果、全体がムラなくアフリカンフレッシュになるぜ。ガイドコートを先にやるとフラットペイントだけでやるよりも、凹凸の激しい場所を手早く・ムラなく仕上げる上で役立つのさ。
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