🔰ハーミットインとはそもそも何か？

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ハーミットインとは一体何か？　ちゃんと説明しよう。

ハーミットインは誰がやっているのか

ハーミットインは、オーナーである俺、籾山庸爾と、数人のスタッフからなるスモールビジネスだ。商店の運営は「インスタ」とあだ名されるスタッフが担当している。あだ名の由来は、インスタで自撮りしているからである。無断外出が多く、業務時間中なのに勝手に買い物に行ったり、美容院に行ったりするので始末におえないが、仕事はシッカリこなしており、「まごごろ・ていねい・チョー早い」の三か条からなるファビュラス運営ポリシーを掲げ、梱包や発送、在庫整理などの運営業務を頑張っている（製品の検品自体は、俺が見ている）。

なんかかしこい事とか、カッチンエッジなアレコレとか、そういうかしこい事については「ペヤング」とあだ名されるスタッフがいる。あだ名の由来は、打ち合わせ中、勝手にペヤングソース焼きそばを食いだしたりするからだ。とにかく頭がよく、薬みたいな名前の液晶の板、タブレットを自慢げに使っていたり、なんか変なソフトウェアを導入したがったりするが、実際ペヤングのアイデアとかそういうのは非常に有用であり、ハーミットインになくてはならない頭脳である。

大企業のような事はできないが、スモールビジネスならではの小回りと思い切りの良さで、これからもドンドン挑戦してゆきたい。「ゆきてかえりし物語」で、ハーミットイン誕生の経緯とビジョンを書いた。興味があるなら見てみてほしい。いやむしろ見てくれ。

ハーミットインってなんなんだ

ハーミットインは、オンラインストアであり、オンラインメディアであり、パブリッシャーでもあり、ミニチュアメーカーでもある。ざっくりと解説しよう。

ハーミットイン商店

オールドスクール・ファンタジーミニチュアと、水溶性カラー「コートデアームズ」の店だ。取扱製品はすべてメーカー直輸入の正規品。「ファビュラス＆あんしん」をキーワードに頑張ってるぜ。なお、製品名は、君のコレクションの助けになるよう、便宜的についた仮の名前でしかない。君が購入したミニチュアをどう呼ぶかは、君の想像力と創造力次第だ。君の想像力と創造力は、他の誰にも支配しえぬ獣なのだから。君がふさわしい名前をつけてくれ。

商店とはすなわち「輸入小売業者」としてのハーミットインである。ハーミットイン商店は、2017年４月19日に開店したオンラインストアだ。実店舗でなくオンラインストアにしたのは決め手がある。俺の大好きなオールドスクールファンタジーミニチュアを日本に紹介する上で、それらの「一元的かつ全国的な販売網」を一気呵成に整備する必要があったからだ。自前で。

取り扱う製品や手を結ぶメーカーについては、俺自身が世界各地のメーカーから製品を取り寄せ、やり取りし、製品のクオリティとメーカーのアティチュードを確かめた上で、取引をするかどうかを考えた。メーカーが信頼に足り、なおかつアティチュードに共感できなければ、俺は握手しない。また、取引するからと言って、そのメーカーの言いなりに製品を入れることもしない。俺自身が胸を張って日本に紹介したいと思えるものしか商店に置かないからである。

ハーミットイン商店は輸入小売業であり、輸入代行業者ではないから、顧客注文ベースの発注はやらない。需要ベースで供給幅を調整することもしないので、販売開始前に予約を取ることもしない。ハーミットイン商店はしっかりと製品在庫を持つポリシーだ。仕入れ予算を組み、在庫リスクを取ってしっかりと商品を仕入れ、商品の素晴らしさを大いに紹介し、「欲しい」と思ってくれた人に、可能な限り高い品質と迅速さで届けたいからである。

客注ベースでの発注は、スモールビジネスの持つリスクを下げる効果的な手段だ。同じく、製品を扱う際、事前に販売数を把握できていれば、在庫リスクを極小にできる。小売業にとって、在庫は財務状況を左右する危険因子だ。だが俺はリスクを嫌って主体性のないビジネスをするつもりはない。ぶち上げる以上は在庫リスクを持ち、プロモーションとサポートをしっかりとし、流通と品質の責任を担う。それが俺の覚悟である。

俺が商店で取り扱う製品には、以下の基準を用いる。

１）オールドスクールファンタジーの世界観を持つ現行のミニチュア
商店にある製品は、現行品であることが大切だ。絶版品や中古品を紹介することはしない。商店は懐かしショップではないからだ。
この「現行品縛り」の例外が「たそがれの船着場」カテゴリーにあるアイテムで、これは、商店での取り扱い開始以降に絶版となり、商店在庫のみの販売となっているアイテムの行く場所だ。商店在庫がゼロになり次第、彼らは永遠なる旅路へつく。
オールドスクールファンタジーに限らず、ミニチュアは製品寿命が比較的短い。来月の新製品も、来年には絶版かもしれない。それがミニチュア一期一会の格言を生んだのである。だから、欲しいものはガマンしない方がいいよ。俺自身、「今度買おう」と思っていて買えずに泣きを見たのは、一度や二度じゃない。

２）他メーカーと並べても極端なチグハグ感が出ない
現実世界の話をするけど、動植物は人造物ではないので、たとえ完全に同一種であっても大きさに違いはある。平均はあっても絶対値はない。同じ親を持ち、同じものを食って育った二人の子供でも、身長、体格、体重に違いは出るよね。
ファンタジーミニチュアもそれと同じで、「人間の戦士」が全て28mmや30mmで揃っている必要は全くない。とはいえ程度問題なので、俺が実際にそのミニチュアたちを手に取って並べ、「違和感なし！　いける！　つうか超いかす！」と思ったものだけを扱うようにしているんだ。なお、一部ミニチュアは頭身がブッ飛んで高かったり低かったりしているが、これらは、それを気にさせないレベルであまりにもカッチョ良いので入れている。
同じファンタジージャンルでも、各メーカーはいうまでもなく、時には同一メーカー、同一デザイナーが手がけたものであっても、頭身、あるいはミニチュアのサイズそのものが違うことがある。この、ファンタジーミニチュア独特のスケール個体差は、ファンタジーミニチュアシーンの歴史と実は密接な関係があるんだけど、こうした話題はハーミット・カウンシル向きだ。

３）そのミニチュアを、俺自身が３つずつ欲しいと思える
商店に並べるかどうかを決める前、俺はまずそのミニチュアを必ず複数取り寄せる。こうすることで、（１）で話したように、出来栄えと世界観の確認ができるし、（２）で話した、他ミニチュアと並べて違和感がないかどうかも確認できる。
また、複数同じ製品を手に取ることで、その製品の抜きレベルや型の状況が手に取るように分かるし、メーカーの出荷品質基準も知ることができるからだ。
俺自身が３個ずつ欲しいクオリティのミニチュアならば、商店に並べる。

現在商店に並んでいるミニチュアは、全て上記の３つをクリアしている。逆に、これらの３つに適合しないものは商店に置かない。

無論、紹介したいミニチュアはまだまだ山のようにあり、新製品や新規メーカーがどんどん出てくるので、今後も商店にはアイテムが増え続けてゆくだろう。また、従来品であっても、俺がいいと思えば扱う。

従来品でぜひ商店に置きたいミニチュアについてちょっと話そう。現在すでに手を結んでいるメーカー各社のレンジにはまだ未発売のアイテムが当然あるけど、型が疲れすぎていて商店での販売基準に満たないことがよくある。ハーミットイン用に型を作り直してもらう場合もあるけど、それはかなりのレアケースだ。メーカー側の製品在庫自体が改善するまでリリースを待つ場合が多いね。あと、商店のレンジ構築上の判断で、「これはまだ早いな」と考えて未発売になっているものも多い。

それと、メーカーの姿勢や考え方に賛同できなかったり、製品のクオリティコントロールが悪すぎたり、あるいは向こうの代表者が単純にクソ野郎である場合、そのメーカーとは関わりを持たないのが俺の方針だ。

また、商店に並べる前、全てのミニチュアは俺自身が検品し、「俺自身がそのミニチュアをハーミットイン商店で買うかどうか」を基準に抜き具合を見ている。ハーミットイン商店の検品体制は、世界で他に類を見ないレベルだと自負しているし、俺のビジネスパートナーたちは、俺が求める品質をよくわかってくれている。　

先ほど、客注も取らず、予約も取らないのが覚悟と書いたけど、これにはもう一つの理由がある。入荷数を調整したところで、完全検品の結果、入荷した全ての製品が商店へ在庫として入ることはかなり稀だ。平均で全入荷数の８%前後、場合によっては40%以上を俺の検品で弾く。そんな訳で、相当数の在庫をアイテムごとに持たなければ今のビジネスモデルが保てない。そして俺は、今の完全検品の基準を変える気は全くない。それはハーミットイン商店の届ける製品の品質保証そのものだからだ。

ハーミットイン商店の仕入れ、例としての製品名付け、そして製品の完全検品は、開業以来俺自身が一貫して取り組んでいる。他方、実際の商店運営業務（梱包、発送、顧客対応、在庫管理、書類・手続、経理処理など）は、ハーミットイン商店のフルタイムスタッフであるインスタが創業以来ずっと担当してくれている。

インスタの掲げる「まごころ・ていねい・チョー早い」のファビュラス方針に、俺は全幅の信頼をおいている。とはいえ大変凶暴な性格で、ペヤングと俺に対しては猛獣のように振舞い、ワークスペースのQOLはかなり低い。あと、無断外出して美容院とか行くし、俺の酒とかお菓子を勝手に飲み食いする。だが、仕事ぶりは真面目なのでよしとする。

ハーミットイン商店は水土日祝が休みだが、オンラインストアだから買い物はいつでも可能。注文から２営業日内に出荷する。完全検品された製品は一つ一つ注意深く丁寧に梱包して届けるよ。安心して買い物を楽しんでくれ！

ハーミットイン図書室

今君がいる場所。つまりnoteだ。ハーミットイン図書室はオールドスクール・ファンタジーミニチュアを扱う、ハーミットインのオンラインメディアである。

なぜ自前でメディアを作ったのか？　端的に言うと、おおよそ全ての出版物やオンラインメディアは全方位にステークホルダーがいて、各方面への配慮と遠慮と忖度（そして多額の広告費）で成り立っている。仮にハーミットインを取り上げてくれたとしても、俺が伝えたい事を伝えてくれる、あるいは書かせてくれるメディアはないと思った。提灯記事を書いてもらう予算もなければその必要もない。そんなことをするなら、スタッフたちへの報酬をあげたり、設備投資をした方がいい。

だからハーミットインは、自前でメディアを作った。現在進行形のシーンを作り育てて行くためには、濃度が高く、信頼できる情報の発信と蓄積ができ、シーンを牽引するメディアが必須である。D&DにとってのDragonとDungeon、ウォーハンマーにとってのWHITE DWARFと言う事だ。

紙媒体でなくウェブメディアにしたのにも、理由がある。オールドスクールファンタジーミニチュアシーンを日本に形成する上で、それらの「一元的かつ全国的な情報網」を一気呵成に整備する必要があったからだ。自前で。

2017年1月28日、突如としてnoteにハーミットインのロゴがあらわれ、俺がハーミットインの名義でしたためた最初のエントリーが発表された。「ゆきてかえりし物語」というタイトルをつけたその記事は、俺が以前何をしていたか、そして俺が再びホビービジネスに戻ることにした理由、「現在進行形のオールドスクールファンタジー」を標榜するスモールビジネスを日本で立ち上げることにした理由などを書いたものだ。

同年2月、3月といくつかの無料記事を通じて、オールドスクールファンタジーミニチュアの基礎的な紹介、ミニチュアホビーの概観などを改めて書き記したのち、2017年3月29日に２冊の定期購読マガジンが創刊される。メーカーの都合に左右されずにペイントノウハウを積み上げる「ミニチュアペイント大全」、そして、国内オールドスクールファンタジーミニチュアシーンの現在と明日を拓く情報発信基地「ハーミット・カウンシル」だ。

ハーミットイン図書室は、俺以外の記名があるものを除き、全て俺自身が書いている。ヘッダー画像や中身の画像の編集やレイアウト、グラフィックデザインも俺だ。一方、題材の選択、全体のトーニング、記事作成と発表の順序とタイミング、DISCORD運営、ラジオ企画、あるいはベイルファイアのようなクローズドイベントなどは、俺だけではやりきれない。

図書室については、創業時からコンサルについてくれているペヤングに色々と助言をしてもらっている。ハーミットイン図書室の方針を一緒に策定したり、俺だけではやりきれない実務を担当してくれているのがペヤングだ。

ペヤングは俺の頼れる参謀であり、付き合いはかなり長い。物の言い方がたまにムカつくし、なんかいっつも先っぽテクノロジーを自慢してくるスネ夫みたいなやつだし、インスタと共謀して俺を何かとバカにするのだが、ペヤングの意見は大体において的確なのと、実際賢く大変有能なのでよしとしている。

今後も、ハーミットイン図書室では精力的な展開がなされていく。ハーミット・カウンシルを購読して、君も現在進行形のシーンに参画してくれ！

パブリッシャーとして

「パブリッシャー」としての側面もハーミットインにはある。“商店”でも“図書室”でもなく、ハーミットインの名前をそのまま使っているし、これからもそうする。

主軸となるのは当然１人用ファンタジーアドベンチャーゲーム『デス・オア・グローリー』（無料紹介記事はこちら）である。

商店はオンラインで、図書室はウェブメディアだが、パブリッシャーとしてのハーミットインが送り出す製品は物理書籍だ。読み物などは別として、ルールブックをデジタルで読むと味わいが薄まるのと、ルールやデータを参照しづらく、ゲームを楽しみづらいことがわかったからである。俺の気が変わらない限り、今後も、『デス・オア・グローリー』のモジュールは、実際に手に取れる形で製品を出していくつもりだ。一方で、サポート記事とかは、ハーミットイン図書室で展開していく。むろんこれらの追加記事も、ゆくゆくは書籍の形にまとめられたらいいなとも思うけど、それは今後の広がり方次第だと言えるだろう。

パブリッシャーとしてのハーミットインは、インスタが商店運営のかたわら色々手伝ってくれたり、ペヤングが知恵を貸してくれたりする一方、今のところ俺の専任エリアとなっている。

製作について言うと、ルールブックのシステムデザインで活躍してくれたリンゴの本業が多忙となったため、デス・オア・グローリーの今後の展開は、俺が単独で考え、製作を進めているところだ。つまり、元に戻ったと言うことである。

だが、それは孤独である事を意味しない。まずアートワークについては、今後も同じ布陣で臨む。ルールブックでカバーアートを手がけたレオポルド・メンドゥーサ・ガルシアは、次のモジュールでもカバーを手がけるし、ルールブックの挿絵を手がけたムスタファ・べキアも、沢山の挿絵を次のモジュールに提供してくれる。

プレイテストと校正については、俺が信頼を置く二人の人物に担当してもらっている。今後については、今の布陣で進めるかもしれないし、顔ぶれが変わったり、増えたりすることもあるだろう。実際、チームの大きさ自体はあまり重要視してないんだ。ゲームのディベロップでは、各人の能力だけではなく、信頼関係とリスペクトも大切だ。緊密な連携と相互のサポート、そして同じビジョンの共有があってこそのチームだからね！

ミニチュアメーカーとして

ハーミットインは、ミニチュアメーカーにもなった。今後、さまざまな「現在進行形のオールドスクールファンタジーミニチュア」のレンジが、他ならぬ俺たちハーミットインによって独自に構築されていく。

現在ハーミットインでミニチュアを手掛けているのは、ケビン・アダムズとポール・マラーの二人。今後も、俺とビジョンを共有できるミニチュアデザイナーたちと共同作業していく。

今後の展開を、どうか楽しみにしていてくれ！

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