ペイント大全ショウケース:広場の大きな布告板 パート1(釘と留め金のパテ造形&野ざらしの木材)
よくぞ来た。ここからはショウケースとして、俺がこの『広場の大きな布告板』をどう仕上げていくかを、2回に分けて紹介していこう。毎度のことながら、同一ミニチュアを製作する時はむろん、汎用性のある様々なペイントアプローチを紹介するぜ!
ショウケース1回目は「グリーンスタッフによる釘と留め金の造形」をまとめ、「風雨にさらされた木材のペイント」を扱う。2回目は「羊皮紙のペイント&文字や図案の描きこみ」「金属細工とサビの表現」「地面のペイントと苔の表現」そして完成への流れだ。
それじゃあ1回目。早速行ってみよう!
グリーンスタッフによる釘と留め金の造形
『ベーシック:レジンミニチュアの洗浄と組み立て伝説』で洗浄と組み立て、ベースデコレートまで進めたけれど、途中、緑色の部分が見えたよね。これは、グリーンスタッフというエポキシパテで、追加造形をしたものだ。
グリーンスタッフがどんなもので、どのように扱うかは、『ベーシスト列伝:ローリングピン奏法』で詳しく解説ずみなのでそちらを読んでね。今回俺が紹介するのは、実際どうやって「釘」「留め金」を造形するかという具体的なノウハウだ。
釘を打つ場所は、「この布告板を実際作ったら、どこに釘を打つだろう」という想像に基づいて決めた。また、杭部分が途中でパーツ分割されていたから留め金のアイデアを思い立ったんだけど、その形や角度もチグハグにしてあるよ。それは、デザイナーであるマックス・スーチンがこのミニチュアに託した「物語」を強調したいからさ。
この布告板で俺が好きなのは、「町職人の雑な仕事」を巧みに表現していること。誤解して欲しくないんだけど、ミニチュア自体の出来栄えは最高クラスにいい。マックスはわざと「作りがそれほど良くない品」に見えるように仕上げているんだ。最高だよこれ。
それぞれの木材は太さも厚みも取り付け角度も違うし、板面も歪んでいて、割れや傷みが結構進んでいるし、裏側に至っては雑な面出しのせいで、木目が荒れた横傷まである。雨除けの切断角度もバラバラで、切り口は腐食が進んでボロボロ。正面の細工は物凄い精巧なのに、左右で取付位置や角度が微妙にズレてたりしてね。どこを取っても並行・垂直になっている場所がないように(それでいて、それなりにまとまって見えるように)、部材が組み合わせられているんだ。
追加造形でも、このイメージを大切に進める。つまり釘の大きさや打つ場所もズレまくり。留め金も左右で大きさも別、しかも斜めに取り付けたんだ。
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