💾『嘆きの森』オルタナティブ・エネミー（フェイラルゴブリン）

注：この記事は、ファンタジー・アドベンチャーゲーム『デス・オア・グローリー』のサプリメント記事です。本書の内容でゲームを楽しむには、『デス・オア・グローリー　ルールブック』およびクエスト・モジュール『嘆きの森 』が必要です。

よくぞ来た。クエスト・モジュールの改造（究極的にはクエストの自作）は、デス・オア・グローリーがもたらす創造的なホビーチャレンジの一つだ。だが、いきなり改造と言われても、何をどう改造するのか、どこから手をつけて、どのように進めればよいか戸惑うことも多いだろう。そうした時間も、創作がもたらす楽しみの一つではあるが、それに指針や例があることで、君がモジュール改造に挑戦するきっかけになるかもしれないと考えた。

今回は『敵の入れ替え』の具体例を紹介しよう。モジュール改造の中でも、込み入った計画や解析、物語プロットの大掛かりな改変をせず、ゲーム中の変化が大きく感じられる典型だ。

デス・オア・グローリーの主役はミニチュアである。好きなミニチュアに同じデータを当てはめて遊ぶチュートリアル・クエスト『ヒスイの髪留め』を例外として、デスグロのモジュールでは、ほとんどの（あるいはすべての）敵が指定され、固有のデータがあてがわれるのだ。

例えばクエスト・モジュール『嘆きの森』では、ゴブリンとトロールのエネミーデータが収録されている。クエスト中、冒険者一行は彼らと対峙し、勝利せねばならない。それは想像以上に厳しい戦いになるだろう。

一方、モジュール内でも示唆されているように、ゴブリンやトロールには様々な亜種がいる。収録のエネミーデータを当てはめてよい亜種についてはモジュールで明記したが、そうでない亜種たちが大好きな趣味人もいるだろう。こうした“同類モンスター”のエネミーデータを入れ込み、元のデータと差し替えて楽しめば、君はクエストの骨子やイベントなどを丸ごと作り直さなくても、君だけの『嘆きの森』を創り、楽しむことができるのだ。

以前から言及しているように、クエスト・モジュール『嘆きの森』は、ジェムの組み合わせにより、辿れるクエスト・ルートは数千種類ある。同じデータでやり込むのも面白いし、それに耐えるようなものを当然製作したが、いっぷう変わったモンスターを相手にすれば、一つのモジュールをやり込む時に変化もつくし、色々なミニチュアを使えるので単純に面白さが増すはずだ。

それでは、実際に見ていこう。

デフォルト・エネミー（初期状態の敵）と
オルタナティブ・エネミー（差し替え用の敵）

クエスト・モジュールに収録されているのは、デフォルト・エネミー（初期状態の敵）と呼ぶ。『戦闘』イベントが発生すると、その敵ならではの状況描写、そして戦闘の設定（出現場所や出現数、先手後手の指示など）がなされている。デフォルト・エネミーはそのクエストがデザインされた時の基準であり、これらの敵を別の物に差し換えることが、今回のテーマだ。こうした敵はオルタナティブ・エネミー（差し替え用の敵）と呼ぶ。

オルタナティブ・エネミーで『嘆きの森』を楽しむ

現在確認されているゴブリンには、以下の民族がいる。彼らは同じゴブリン族ではあるが、文化や思想も違うし、外見や性格も異なっているのだ。

ゴブリン：一般的なゴブリン。どこにでも住んでいる！
ドゥームゴブリン：一回り小さい体が特徴で、普段は地下で暮らしている。
フェイラルゴブリン：獣皮を被る原始のゴブリン。南方がそのルーツだ。
ブラックゴブリン：オーク並の体格と傲慢な性格で知られる支配階級。
ホブゴブリン：東方をルーツに持つゴブリンの亜種。大柄だ。

『嘆きの森』では、クエストの構成やエネミーデータを全く変えずに迎えられるゴブリンの亜種としてドゥームゴブリンを含めたが、ドゥームゴブリンたちにもまた、本来は固有のエネミーデータがある。変わり種であるフェイラルゴブリン、オーク並の体格を誇るブラックゴブリン、東方から現れたホブゴブリンについては言わずもがなだ。コモン・ゴブリンとはもはや別物のモンスターである。