#5 旨いプリンを旨いラーメンに入れようぜという話
新規のレーベルがプロットコンテストを開くという。色々とレーベル側に不安要素は多いものの、この9月までの新人賞閑散期にただ文字を並べた習作で自己満足するのもつまらないので、久々のラノベで参加してみた。
たまにはハンドルネーム通りニッチ層でも攻めてみるかと募集欄にあったゾンビを題材に取ったが、困ったのが先人の不足っぷり。
基本的にゾンビ物の小説って流行らないんですかね。小説版のワールドウォーZとか売れたけど、言うてアレはモキュメンタリーだし。
バトル多めで人間関係を描きやすく、そこそこライトノベルには向いていると思うのだが、いざホビージャパン文庫や今は亡きノベルゼロから出版されたものを読むと、どうにも食い合わせが悪く感じる。
そして書いて分かった。ゾンビとのバトルってキホン話が進まない。
話が通じないヒト型の野獣と5枚殴らせても、主人公に変化がない。じゃあ哲学的ゾンビと殴らせるか。しかし押井守と伊藤計劃(本人書いてないけど)がやったやつは合わなかった覚えがある。どうしたものか。
たぶん無理に小難しいモノを書こうとしちゃいないか?
もっと普通に面白いモノを……と思うが、カウチポテト族の自分の場合、ゾンビものはバドワイザー片手にゲラゲラ笑いながら見て、三秒で内容を忘れるタチだから救えない。
面白いゾンビパニック小説っていうとキングの『セル』が真っ先に来る。序盤は少なくとも素直に面白かった。あと国産だと屍人荘の殺人か。
どうも既存の筋書きにゾンビがぶち込まれると自分はウケるらしい。
ついでに最近、自分は行動主義にハマっている。
もし人間が共通規格だったら。アプリケーションのように個性を付け替えられたら。しかし使えるアカウントがある日、ハッキングされて”ゾンビ”だけになったら。おお、セルで初めてやつらと話し合うあのシーンじゃないか。
というわけでささっと書いてみた。
Meryかよ……と思われたらすみません。大気圏内ならどこでも百パーセントのスペックで動く執筆ソフト、これとメモ帳くらいなんだよ!
さすがに細々としたところが粗削りなので提出したものは手直ししているが、そこそこ文章化したら面白いんじゃないかと思う。
もちろん応募者みんな各々がウケるものを出しているわけで、自分のコイツが採用されるかは分からないが、ネタ出しの練習にはなった。
結果は八月末。どうなるやら。