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【「使える英語」を身につける】 自販機方式で会話のベースを作る
前回の【「使える英語」を身につける】シリーズ第 2 弾では、自分の目指すゴールを効率よく達成するためには学習内容の絞り込みが効果的、という話をしました。
今回は、その中に出てきた「定型文」や「パターン化したやり取り」をそのまま頭に定着させれば、「文法なんかはよくわからないけど、とりあえず必要最低限の会話ができる」ベースを作れるよ、という話です。
型の決まった文で脳内に「会話自販機」を作る
日常生活でもビジネス英語でも、日々交わすコミュニケーションには、ルーティン的によく使われているテンプレ的会話が結構な率で含まれています。
つまり、このテンプレを頭に入れておき、状況ごとに適した文が自動的にポロンと口から出てくる状態を作ると、最低限その部分の会話はできるようになるわけです。
「決まった状況で決まった文が出てくる」のって、要するに頭の中にテンプレ化された文の自動販売機を作っておき、「これ!」というボタンを押すとほしい文が出てくるようなものなので、自分はこのやり方を自販機方式と呼んでいます。
例えば…
「お店で食べ物を注文したい」ボタン → 「I'll have (食べ物名), please.」が出る
「バスや電車などが目的地に行く路線か聞きたい」ボタン → 「Is this going to (目的地)?」が出る
この程度の簡単なフレーズでも、意外とその場に行ってゼロから考えると何も出てこなかったり、「これでいいんだっけ、通じるかな」など悩んでしまったりするもの。
逆に、この場面を想定し対応する文を刷り込んであると、たとえ肝心の食べ物名や目的地が発音できなかったとしても、指差しだけで完璧に意思疎通できる。
強い。
自販機方式の英語学習に使える教材
さて、自販機方式に役立つ教材の代表格は次の3つ。
旅行向けなどのフレーズ集
用例付きの熟語ドリル
対訳付きの4コマ漫画
どれを選ぶかはお好み次第ですが、選ぶポイントには次のようなものがあります。
全体の分量が多すぎない
文法や単語の解説の分量が最低限
自分の興味なり、学習の必要性なりがあって「役に立つ」と思える内容が多い
教材の体裁が自分の好みに合う(見づらさがない)
そして、どれを選んだ場合でも、「音、発音がわからん」という方はパソコンかスマホで Google 翻訳使いましょう。
英文打ち込むと、翻訳するかどうかはおいといてとりあえずスピーカーボタンが表示される → 押せばそのまま読み上げてくれます。
ぐーぐるさんは訛りもないし、長い文でもかなり自然だし、何度繰り返しても怒らないし、なんなら音声入力に切り替えて自分が同じフレーズを正しく言えているかの確認までできるし、これを利用しない手はないです。
1. 全体の分量が多すぎない
自販機方式は、基本的には必要最低限の定型文を記憶するやり方なので、量が多いと脳とやる気が一気にキャパオーバーします。
更に、自販機方式の弱点は、ベーシックな定型文を越える内容には歯が立たない応用力の低さなので、ここでがんばりすぎるのはもったいない。
ある程度、最低限のタスクがこれでこなせるようになったら、もっと色々、広く自由にコミュニケーションが取れる力がつく学習法に切り替えたほうがいいんです。
ですので、できるだけ薄くて、単純明快で、負担にならないものを選ぶのがとても大事。
2. 文法や単語の解説の分量が最低限
1. と似ていますが、自販機方式でベース作りをする時の最重要ターゲットは定型を体に染み込ませることであり、文法を理解することではありません。
この時点で文法に気を取られる必要はないし、文法を気にすることで逆に混乱が生じることもありえます。
文法は、ある程度力がつき、そこそこ会話ができるようになってきた後に超重要アイテムになりますが、それまでは放っておいても大丈夫。
自販機方式を使っている間は、文法のことは気前よく忘れ去りましょう。
3. 自分の興味なり、学習の必要性なりがあって「役に立つ」と思える内容が多い
人間、全く興味も必要性も感じないものは、記憶しようとしても脳の方で勝手に拒絶するもの。
脳の特性を考えずに詰め込もうとしても結果につながらないか、結果を出すために多大な努力や時間が必要になり、無駄が増えます。
ですので、自分が「役に立つ」「おもしろい」「好き」と思えるものを探すことはすごく大事です!
4. 教材の体裁が自分の好みに合う(見づらさがない)
これも 3. と似た理由ですが、「なんか嫌」「嫌い」という見た目のものは、頑張って使おうとしても脳が拒絶するので学習効率が落ちます。
文字の大きさだとかページの配置、配色など、「なんとなくやだなー」と思うものは避けましょう。
自分ならこれを使うかな…という教材を探してみました
選ぶポイントはわかったけど、例もほしいよ…と、以前上記の解説をしたリアルの知り合いに言われたので、自分ならこれを選ぶかな…と思った例をご紹介しておきます。
いずれも Amazon でなか見検索して今選んできたものになります。
なお、自分、Amazon アソシエイトプログラムに参加しているので、こちらのリンクから実際に購入される方がいた場合、いくばくか紹介料が入る形になっています。
紹介料が発生したときは、勉強用書籍の購入に当てる予定です(ありがとうございます!)が、何らかの理由で「そういうサポートはしたくないです」という方は、見るだけ見て別途ご自身で検索すれば、紹介料を発生させず、知識だけもっていっていただくことができますよ。
旅行向けのフレーズ集
フレーズ集、けっこうたくさんあったのですが、中身を見ると実際にはあまり使わなそうなものが多かったり、あまり適切、あるいは正確だと思えない表現が含まれていたりするものがほとんどでした。
ここで選んだ2つのうち、後者はちょっと量が多すぎだと思いますが、いずれも比較的汎用性が高く実際に役立ちそうです。
そして…
このような、逆方向からのアプローチもありかと。
これは英語圏の人向けの日本語のフレーズ集なので、日本語がやや怪しい代わりに、英語の例文の方は自然だし適切です。
さらに解説も全部英語なので、解説からもついでのサイド学習ができてしまう。
もうある程度英語力がある方にはそういうのがむしろありがたかったりするかもしれません。
用例付きの熟語ドリル
英熟語も教材はたくさんあるのですが、用例がついておらず自販機方式向きではなかったり、文法などの解説が多すぎたりするケースがほとんどでした。
あとはなか見検索に対応しておらず、確認のしようがない、とか…。
いいもの作ってるなら一部見せたほうが売れると思うんだけどな。
そしてこの時代に「CD 付き」がすごく多かったのも驚きですね〜。
今はもう、CD 再生するものを持っていない、CD いらない人の方が多いんじゃなかろうか。
これは前置詞ごとに複数の熟語をまとめるなど、汎用性が高い上にこの先、自販機方式後にさらにレベルの高い学習をしていく際の基礎づくりにもなる作りなのがポイント高いです。
前置詞は感覚がわかると一気に使えるようになるので、前置詞で悩んでいる方にも向いているかと。
対訳付きの 4 コマ漫画
これは自分でも実際に使った、自分の中のド定番です。
中学生〜高校生の時に、地元の図書館においてあったのを興味本位で見たのをきっかけに、自分でも随分買ってたくさん読みました!
かわいいし、軽いし、カルチャー的にも色々興味深い。
さらに、あとあとレベルが上がってきた時に、ある程度英語の丁寧表現などを意識的に学習する必要が出てくるはずなんですが、こちら、実は先生や大人との会話、ちゃんと丁寧な表現を使っているんですよね〜。
そういったナチュラルなニュアンスに自然と触れられるのもポイント高いです。
自販機方式の出どころ
自販機方式は、英語の勉強は日本の大多数の皆さんと同じく中学校が初、This is a pen. から始めた自分が、外資で海外案件に関わったり、実際に海外に住んだり、副業でたまに日英両方向の通訳翻訳したりするレベルになった、そのベースを作ったやり方です。
独自の方法ではあるものの、周囲の海外移住組に聞くとけっこうな率で同じようなやり方をしている方がいるので、完全オリジナルとも言いがたい。
「自販機っぽい」という理由で「自販機方式」と呼んでいるところだけがオリジナルですね。
ポイントはとにかくシンプルに、よく使う文をそのまま覚え込むこと。
この時点では文法の知識などは一切不要です。
このやり方は、最低限、生活なり旅行なり、ある程度形の決まった仕事なりをこなせるレベルに到達するためには非常に効率がよいです。
定型文を超えるレベルの語学力を身につけるためのベースづくりにもなります。
ただし、定型文を超える語学力を身につけるには別の学習法が必要になってくるので、その話はまた別の機会に。
では皆さん、Happy Learning ;)